このページでは、異常検知AIの開発事例を紹介します。どのような業界で、どのような目的で導入され、どんな成果を得られたのかをまとめています。
AI開発の依頼・ツール導入を検討している方は、参考にしてください。
デンソー高棚製作所では、自動車メーターの表示検査について、動画で瞬間的な異常を検出できるようにしたいと考えていました。
市場に流通しているAIソリューションは静止画ベースのものが大半。リアルタイムで動的な変化を捉える動画対応型のシステムは非常に限られている状況でした。
導入に向けたPoCでは、市販のカメラで撮影したサンプル動画を使用して、AIによる異常検知の実現可能性を検証。
求められる要件は高く、特にカメラの視野調整に関しては角度や明るさなど細かな調整が必要で、実現に向けて試行錯誤が続きました。
開発は約1年かけて着実に進み、課題が生じるたびに具体的な解決策を講じながら導入へ。現在、AI検査システムは量産設備として本格稼働しており、常時監視によって人の目では捉えきれない瞬間的な異常も検出できる体制が整っています。
自動車部品の製造・検査ラインでは、組付け時に変形やキズなどが発生する可能性があるため、熟練の検査員が目視によって品質確認を行ってきました。しかし、慢性的な人手不足や省人化のニーズにより、近年はAIを活用した外観検査の導入が進んでいます。
異常品の発生頻度が低く、AI学習に必要な異常品画像を収集するのは困難でしたが、トヨタ自動車衣浦工場では調和技研と共同開発することで課題解決を試みました。
「異常品のデータが少ない」という課題については、先進のAIアルゴリズムを応用して良品のみで学習可能なモデルを開発。技術的には、良品学習とkNN(k-近傍法)を組み合わせた異常検知手法を採用しました。
異常画像が不要なため、準備にかかる時間やコストも大幅に削減。ケースによっては100%近い検出精度で、不良品の見逃しゼロに貢献しています。
危機管理部門ではこれまで、テレビのニュースや災害情報配信サービス、河川カメラなどを個別に確認しながら、災害リスクの把握と対応を行っていました。
しかし、情報が複数の手段に分散していたため迅速な判断が難しい上、情報の網羅性や速報性にも限界を感じていました。
特に問題となっていたのが、拠点ごとの災害状況の把握です。実際に工場が冠水する被害を経験した際には、被害の全体像を把握するまでに時間がかかり、初動対応が遅れてしまいました。
「Spectee Pro」を導入した結果、拠点ごとの災害リスク情報を地図上で一元管理できるようになりました。国内外の自社拠点を登録し、気象災害や火災、停電、不審者情報など、さまざまなリスク情報をリアルタイムで把握しています。
Microsoft Teams上に情報が自動配信される設定にすることで、関係者間の情報共有も即時に行えるようになりました。
プログラミング言語を使用せず、Webブラウザの操作のみでAIを作成する方法。Amazon Web Services(AWS)などのサービスを利用します。こちらの方法では、「正常な製品画像」と「傷や汚れがある異常な製品画像」をクラウド上にアップロードするとシステムが自動的に学習し、モデルの生成が行われます。数学やコードなどに関する専門知識が不要であることから、開発までのハードルは低めといえます。
基本的に自社開発向けの方法ですが、初期の導入支援やAIが学習を行うための画像選別や準備などについて外部コンサルタントに依頼をするケースも考えられます。
専用ソフトウェアをPCにインストールし、マウス操作により開発を行っていく方法です。上記でご紹介しているクラウド型と同じように直感的な操作ができること、インターネットを介さずPC内で学習や処理が完結するといった点が特徴として挙げられます。例えば工場におけるセキュリティの規定によりデータを外部に出せない場合などに適している方法といえます。このようなソフトウェアは現場主導の運用を想定して開発されているため、自社での開発が行いやすいといえます。
Pythonなどのプログラミング言語に、AI開発用ライブラリ(フレームワーク)を使用することによって、ゼロから設計や開発を行う方法です。AI開発用のライブラリとしては、TensorFlowやPyTorchなどが挙げられます。この方法の場合、AIの内部構造を自由に設計できるため、複雑な要件にも対応が可能となります。
ただし、高度な知識とエンジニアリング技術が求められることから、社内に専門のエンジニアなどがいない場合には自社開発が難しくなるため、外部への委託が推奨されます。
ここでは、クラウドやオンプレミスなどのタイプ、料金、主な対応業界などの詳細情報を公式HPに掲載している画像解析AI開発ツール・プラットフォームをピックアップして比較します。
| Bind Vision (キヤノンITソリューションズ)
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP (https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand) |
OPTiM AI Camera Enterprise (OPTiM)
引用元:OPTiM AI Cameraシリーズ公式HP (https://www.optim.co.jp/optim-ai-camera/) |
オールインワン AI画像解析パッケージ (大塚商会)
引用元:大塚商会公式HP (https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/ai-iot/ai-camera-analysis/) |
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| タイプ | クラウド | オンプレミス/クラウド (選択可) | オンプレミス |
| 基本料金 |
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| 導入までの期間 | 即時 (契約後すぐに使用可能) | 最短約6週間 | ― (公式HPに記載なし) |
| トライアル | 有り (1か月無償で使用可能) | ― (公式HPに記載なし) | ― (公式HPに記載なし) |
| API | Web APIでプログラムを 問わず、連携可能 ※2 | APIで既存アプリ、 システムとの連携が可能 | ― (公式HPに記載なし) |
| 主な対応業界 | 製造業/防災事業者/自治体 | 小売業/交通機関/医療業界 | 建設業/小売業/製造業 |
このページでは、さまざまな業界でAIによる異常検知がどのように活用されているか、その背景や成果を紹介しました。
AIを効果的に実装するために大切なのは、現場ごとの業務課題を捉え、それに合った技術や仕組みを選定することです。ツール選定や開発を検討されている方は、自社のニーズを把握するところから始めましょう。
また、当メディアではシステム開発の業界・目的別におすすめの画像解析AIを紹介しています。製造業、医業、金融業など、開発システムを活用する業界・目的によって、選ぶべき画像解析AIは変わってくるもの。自社の開発システムに合った画像解析AIを導入したいと考えているSIer・AI事業者の皆様は参考にしてみてください。
各製品・サービスをじっくり比較・検討したい方のために、画像解析AIを利用できる開発ツール・ソリューションを一覧掲載しているページもご用意しています。機能や料金の違いを知りたい方は、こちらも併せてご確認ください。
様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。
Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Aivia
(ライカマイクロシステムズ)
Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)