在庫棚AI認識の開発事例を紹介

売上の機会損失を発生させないためには適切な在庫管理が欠かせません。必要な時に必要なだけ在庫を持つことで、保管コストや商品ロスのリスクも軽減できます。ただし、人による在庫管理は漏れやミスが起こる可能性がありますし、手作業は時間も労力もかかってしまいます。そこで最近では過剰在庫や欠品が起こらないようにするために、AIが活用されている事例があります。ここでは、AI画像認識システムを使った在庫管理について紹介します。

トライアルグループ

引用元:株式会社トライアルホールディングス(https://trial-holdings.inc/news/blog/647ed3f7dc999730bff2faa2/)

導入前の課題:作業員が1つひとつシールを貼る手間や時間がかかっていた

総菜やお弁当売り場の在庫が大量に残っている場合、今までは作業員が1つひとつ目で見て確認し、シールを貼る作業が発生していました。

導入後の成果:生産性向上に加えて売り場のレイアウト棚割り変更にも活用

店内に150台ものAIカメラを導入。売り場の電子棚札とAIカメラが連動しており、AIが在庫の点数を見て値下げや値下げ幅を自動で判断することで自動値下げが可能となりました。これにより作業員がシールを貼る手間が省け、生産性向上につながっています。また、AIが棚前での顧客の動きも分析し、担当者の勘や経験に頼ることなくロジカルに売り場のレイアウト、棚割り変更を行えるようになっています。

L'Orealグループ

引用元:ITmedia(https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2002/05/news037_2.html)

導入前の課題:目視での在庫管理に時間と手間がかかっていた

フランスに拠点を置く化粧品大手メーカーであるL’Orealグループでは、在庫管理を目視で行っていたことで多くの人手と手間がかかっていました。この在庫管理は商品出荷時、出荷時における残数確認、不足分の補充などあらゆる場面で行われていたため機会も多く、労働時間を減らすことが課題となっていました。

導入後の成果:在庫管理の無人化に成功

今まで目視で行っていた在庫管理をカメラ付きのドローンで行うことで無人化することに成功しました。ドローンも自動で飛行するため人が操作する必要はありません。在庫管理の時間が短縮できただけでなく、深夜や休日のデータも取得できるようになりました。

株式会社そごう・西武

引用元:株式会社そごう・西武(https://www.sogo-seibu.co.jp/pdf/20230807_01.pdf)

導入前の課題:発注作業や在庫管理がデジタル化できていなかった

そごう・西武の名産売り場では様々な商品があり、JANコードでの管理がうまくいかずにデジタル化できず、在庫管理はアナログで発注作業も担当者の経験に頼ったものとなっていました。

導入後の成果:作業時間が33%短縮した

画像認識AIを導入して在庫管理アプリを活用することで、JANコードに関わらずデジタルでの在庫管理が可能となりました。紙の台帳も不要となったことで発注、検品、納品作業が33%削減。削減できた時間は接客に充てるなど顧客満足度向上につなげています。今後はAIを活用した需要予測を行うことで発注を自動で行うことも目指しています。また、今まではできなかった自社ECと連携することによる商品拡充や販売強化にもつなげます。

在庫棚AI認識を開発する方法

コンピュータビジョン・プラットフォームを利用

スマートフォンで棚を撮影することによって在庫管理を行えるアプリを開発する方法が考えられます。例えば、スイスのScanditにより提供されている「Smart Data Capture」プラットフォームの活用によって、バーコードの読み取りに加え棚に並んでいる複数の商品をまとめて認識するといったことができるようになり、効率的な在庫管理を行えます。また、スマートフォンを使用して在庫管理を行えるという点もメリットといえます。高機能なSDKが提供されているものの、それを組み込んだアプリの開発が必要であるため、専門会社へ委託し開発を行うことが推奨されます。

物体検出AIの利用

Google Cloudの「Vertex AI」などのクラウドサービスを活用することで、商品の見た目を学習させて在庫数をカウントするAIを開発する、という方法も考えられます。対象の商品の画像を大量に学習させることによって、棚全体の写真からその商品が何個映っているかを自動でカウントします。バーコードが隠れていたとしても、パッケージのみで商品の特定を行えます。AIモデルの作成についてクラウド上で完結できる点は大きなメリットといえます。

AI映像解析プラットフォームを利用

倉庫や店舗にカメラを設置し、リアルタイムで在庫の減りを監視するという方法もあります。例えばNVIDIAの「Metropolis(メトロポリス)」プラットフォームを利用し、映像データをクラウドに送らずにカメラの近くで処理することで在庫切れのアラートをすぐに出す、といったことができるようになります。ただし、こちらの方法の場合、高性能なAIチップを搭載したカメラの選定や、映像解析パイプラインの構築が求められるため、専門の企業に依頼を行うことが推奨されます。

画像解析AI開発ツール・プラットフォームの料金・機能比較

ここでは、クラウドやオンプレミスなどのタイプ、料金、主な対応業界などの詳細情報を公式HPに掲載している画像解析AI開発ツール・プラットフォームをピックアップして比較します。

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Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Bind Vision公式サイト
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
(https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand)
OPTiM AI Camera
Enterprise

(OPTiM)OPTiM AI Cameraシリーズ公式サイト
引用元:OPTiM AI Cameraシリーズ公式HP
(https://www.optim.co.jp/optim-ai-camera/)
オールインワン
AI画像解析パッケージ

(大塚商会)大塚商会公式サイト
引用元:大塚商会公式HP
(https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/ai-iot/ai-camera-analysis/)
タイプクラウドオンプレミス/クラウド
(選択可)
オンプレミス
基本料金
  • 初期費用:なし
  • 基本プラン:3万円/月
  • 初期費用:66万円※1
  • 導入費:440万円
導入までの期間即時
(契約後すぐに使用可能)
最短約6週間
(公式HPに記載なし)
トライアル有り
(1か月無償で使用可能)

(公式HPに記載なし)

(公式HPに記載なし)
APIWeb APIでプログラムを
問わず、連携可能
 ※2
APIで既存アプリ、
システムとの連携が可能

(公式HPに記載なし)
主な対応業界製造業/防災事業者/自治体小売業/交通機関/医療業界建設業/小売業/製造業
【選定条件】
「画像解析AI開発ツール」とGoogle検索して上位表示されるAI開発ツール30社のうち、クラウドorオンプレミスでのプラットフォームを提供している製品をピックアップし、
公式HPに導入費用などの価格掲載があるソフトの情報を掲載しています。
※1.OPTim Edge Entryの場合、カメラ5台まで処理可能。
※2.煙検出AIの場合、1セット=45,000回/月の実行回数。
(2025年3月5日調査時点)

【まとめ】在庫棚の管理はAIカメラで効率化できる

AIカメラを使うことで、在庫棚の状況をチェックして在庫を認識、分析することができます。在庫の数や種類を人力で確認するよりも早く正確に行うことができますし、不足しそうな商品を作業員に通知したり自動で発注したりすることも可能です。人の体調や気分で作業ムラが起こることなく安定した在庫管理が深夜、休日を問わず可能となります。人手不足と業務効率化を実現するためにも、AIの活用を検討してみましょう。

業界・目的別
画像解析AIのおすすめ3選

様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。

大規模な検査・検知システムを
確立したい

Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)

Bind Visionのキャプチャ
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand
  • 拡張性の高いプラットフォームで、用途・ライン別の分割運用、全体の統合管理が可能。カメラの増設にも柔軟に対応
  • 製造ラインの状況を一画面で俯瞰し、アラート通知で異常を即時検知。Web APIでスムーズなシステム連携を実現
専門的な画像を高い精度で
解析したい

Aivia
(ライカマイクロシステムズ)

Aiviaのキャプチャ
引用元:ライカマイクロシステムズ公式HP
https://www.leica-microsystems.com/jp/製品紹介/画像解析システム/p/aivia/
  • 生体組織に求められる2D~5Dの可視化と解析を実現。神経細胞や臓器構造の観察にも対応できる
  • 45種類以上の顕微鏡画像ファイルフォーマットに対応。様々な用途の研究用データなども無駄なく活用
セキュリティやリスク管理を
重視したい

Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)

Azure AI Visionのキャプチャ
引用元:日本マイクロソフト公式HP
https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/ai-vision
  • Microsoftの高度なセキュリティ基準に基づいて設計。クラウド経由の取引にも対応が可能
  • 金融・保険の書類処理や自動データ抽出するOCR、オンライン本人確認機能を搭載。口座開設や本人確認業務を効率化
※情報は2025年3月5日調査時点