売上の機会損失を発生させないためには適切な在庫管理が欠かせません。必要な時に必要なだけ在庫を持つことで、保管コストや商品ロスのリスクも軽減できます。ただし、人による在庫管理は漏れやミスが起こる可能性がありますし、手作業は時間も労力もかかってしまいます。そこで最近では過剰在庫や欠品が起こらないようにするために、AIが活用されている事例があります。ここでは、AI画像認識システムを使った在庫管理について紹介します。
総菜やお弁当売り場の在庫が大量に残っている場合、今までは作業員が1つひとつ目で見て確認し、シールを貼る作業が発生していました。
店内に150台ものAIカメラを導入。売り場の電子棚札とAIカメラが連動しており、AIが在庫の点数を見て値下げや値下げ幅を自動で判断することで自動値下げが可能となりました。これにより作業員がシールを貼る手間が省け、生産性向上につながっています。また、AIが棚前での顧客の動きも分析し、担当者の勘や経験に頼ることなくロジカルに売り場のレイアウト、棚割り変更を行えるようになっています。
フランスに拠点を置く化粧品大手メーカーであるL’Orealグループでは、在庫管理を目視で行っていたことで多くの人手と手間がかかっていました。この在庫管理は商品出荷時、出荷時における残数確認、不足分の補充などあらゆる場面で行われていたため機会も多く、労働時間を減らすことが課題となっていました。
今まで目視で行っていた在庫管理をカメラ付きのドローンで行うことで無人化することに成功しました。ドローンも自動で飛行するため人が操作する必要はありません。在庫管理の時間が短縮できただけでなく、深夜や休日のデータも取得できるようになりました。
そごう・西武の名産売り場では様々な商品があり、JANコードでの管理がうまくいかずにデジタル化できず、在庫管理はアナログで発注作業も担当者の経験に頼ったものとなっていました。
画像認識AIを導入して在庫管理アプリを活用することで、JANコードに関わらずデジタルでの在庫管理が可能となりました。紙の台帳も不要となったことで発注、検品、納品作業が33%削減。削減できた時間は接客に充てるなど顧客満足度向上につなげています。今後はAIを活用した需要予測を行うことで発注を自動で行うことも目指しています。また、今まではできなかった自社ECと連携することによる商品拡充や販売強化にもつなげます。
AIカメラを使うことで、在庫棚の状況をチェックして在庫を認識、分析することができます。在庫の数や種類を人力で確認するよりも早く正確に行うことができますし、不足しそうな商品を作業員に通知したり自動で発注したりすることも可能です。人の体調や気分で作業ムラが起こることなく安定した在庫管理が深夜、休日を問わず可能となります。人手不足と業務効率化を実現するためにも、AIの活用を検討してみましょう。
様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。
Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Aivia
(ライカマイクロシステムズ)
Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)