安全監視AIとは、事故や事件を未然に防ぎ、事件発生後の即時対応を可能にするシステムのことです。
このページでは、安全監視AIの開発事例を紹介します。導入前の課題や導入後の成果などについてまとめているので、AI開発の依頼・ツール導入を検討している方は、参考にしてください。
機械設備や化学物質を扱う製造現場において、安全ルールに沿った行動管理を追求していた京セラ。しかし、現場では禁止行動や危険行動を把握しきれず、ヒヤリ・ハットを含むリスクの早期発見が難しい状況でした。
従来の防犯カメラは、あくまで事後の確認手段であり、日常的な監視や分析には活用できていない状況。録画映像の確認作業は膨大で、現実的な運用とは言えません。人的負担が大きく、属人的な管理に依存した体制を見直す必要がありました。
AIを活用してカメラ映像をリアルタイムに解析し、異常行動や危険行為を自動で検知する映像解析プラットフォーム「VAAKEYE(バーキー)」を導入。
500台のカメラ映像をAIが常時解析し、異常行動を自動的に検知できる体制を整えました。これにより人的負担がなくなり、運用も効率的に行えるように。
アラート通知で即時対応が可能になるなど、夜間や休日を含めた安全監視が強化されています。
広大な敷地に複数の介護ユニットを持つ「どうみょうじ高殿苑」では、入居者の安全確保のため赤外線センサーを導入していましたが、寝返りなどの不要なアラートが多発。職員が訪室して状況を確認する負担が大きい、転倒や転落などの事故に迅速に対応できない、などさまざまな課題を抱えていました。
AI搭載の見守り介護システム「Neos+Care(ネオスケア)」を導入し、約50室に設置。入居者の動作をシルエット映像で可視化できるようにしました。
転倒や離床などの危険動作を高精度に検知し、職員のスマートフォンへリアルタイムに通知が届くように。
必要な場合だけ訪室するようになったことで、職員の移動負担が大きく軽減されました。1日あたり約900件の検知に対し、実際の訪室件数は10分の1に抑えられています。
沖縄県内に複数店舗を展開するガルフスポーツクラブでは、利用者の年齢層が40〜70代と比較的高く、日々の運営における安全管理が重要なテーマとなっていました。
利用者同士やスタッフの気付きによって未然に防げたケースもありますが、常時すべての状況を把握することは困難です。人手不足の影響を受け、限られた人員で安全管理の質を維持しながら、効率的な施設運営を行うことが求められていました。
Opt Fitが開発・提供するジム専用防犯カメラソリューション「GYM DX」を導入。スタッフの目だけに頼っていた安全管理を37台のカメラ+3人のスタッフに切り替えました。
AIによる異常検知で見守り体制を強化するとともに、有事の際のスタッフの心理的負担を減らすことに成功。映像で事実確認を行うことで、適切な対応はもちろん再発防止策を講じられるようになりました。
例えば工事現場における安全を監視する場合、Microsoft Azureなどが提供する「Custom Vision」を利用することによって「ヘルメットなどの未着用」など装備不備の検出を行うことができます。この場合、正しく着用している画像と正しく着用できていない画像をクラウドにアップロードすることで、AIが識別パターンの学習を行えます。高度なプログラミング知識は不要であり、さらに画面操作のみでのモデル作成が可能ですが、検知時にメールを通知するなど外部システムとの連携に関しては開発会社に相談することが推奨されます。
エッジAIプラットフォームを活用してリアルタイムで監視を行えるようにする方法も考えられます。こちらは現場のカメラ近くに専用コンピューターを設置して処理を行う方法です。通信による遅延がほぼなく、即座に危険を知らせることができるというメリットがあります。例えば複数のカメラを設置することによって、現場全体など広範囲での安全管理も可能になります。ただし、こちらの場合ハードウェアの選定や映像パイプラインの構築が必要となるため、専門のベンダーに開発を委託することがおすすめといえます。
Googleが提供している「MediaPipe(メディアパイプ)」などのツールを使用することによって、「転倒」や「うずくまり」について検知するAIを開発する方法も考えられます。こちらのツールでは、人間が写っている映像から骨格位置を推定できるため、具体的な危険行為の特定が可能となります。
ただし、「関節がどの座標にあるときに転倒とみなすか」といったアルゴリズムをプログラミングする必要があることから、必要に応じて専門会社に外注することが必要となります。
ここでは、クラウドやオンプレミスなどのタイプ、料金、主な対応業界などの詳細情報を公式HPに掲載している画像解析AI開発ツール・プラットフォームをピックアップして比較します。
| Bind Vision (キヤノンITソリューションズ)
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP (https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand) |
OPTiM AI Camera Enterprise (OPTiM)
引用元:OPTiM AI Cameraシリーズ公式HP (https://www.optim.co.jp/optim-ai-camera/) |
オールインワン AI画像解析パッケージ (大塚商会)
引用元:大塚商会公式HP (https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/ai-iot/ai-camera-analysis/) |
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| タイプ | クラウド | オンプレミス/クラウド (選択可) | オンプレミス |
| 基本料金 |
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| 導入までの期間 | 即時 (契約後すぐに使用可能) | 最短約6週間 | ― (公式HPに記載なし) |
| トライアル | 有り (1か月無償で使用可能) | ― (公式HPに記載なし) | ― (公式HPに記載なし) |
| API | Web APIでプログラムを 問わず、連携可能 ※2 | APIで既存アプリ、 システムとの連携が可能 | ― (公式HPに記載なし) |
| 主な対応業界 | 製造業/防災事業者/自治体 | 小売業/交通機関/医療業界 | 建設業/小売業/製造業 |
本ページでは、製造業・介護施設・スポーツ施設などのさまざまな現場における安全監視AIの導入事例を紹介しました。いずれも現場特有の課題を丁寧に把握した上で、適切な技術を選定し成果を上げています。
AI導入を成功させるために大切なのは、現場の課題を起点に考える姿勢です。これからAI活用を検討する方は、自社のニーズに合う導入システムを選択しましょう。
また、当メディアではシステム開発の業界・目的別におすすめの画像解析AIを紹介しています。製造業、医業、金融業など、開発システムを活用する業界・目的によって、選ぶべき画像解析AIは変わってくるもの。自社の開発システムに合った画像解析AIを導入したいと考えているSIer・AI事業者の皆様は参考にしてみてください。
各製品・サービスをじっくり比較・検討したい方のために、画像解析AIを利用できる開発ツール・ソリューションを一覧掲載しているページもご用意しています。機能や料金の違いを知りたい方は、こちらも併せてご確認ください。
様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。
Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Aivia
(ライカマイクロシステムズ)
Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)