製品ラベル検査AIの開発事例を紹介

製品に貼られたラベルの不備をチェックする検査では、ラベルの有無や位置、破れや汚れなど様々なポイントを確認する必要があります。目視での検査は数が多く時間もかかりますし、疲れなどによる見逃し、ミスも生じてしまうリスクがありますが、AIによって自動でラベル検査を行うことで人的ミスや判断のばらつきのない検査が可能となります。ここでは、AIを活用した製品ラベル検査事例を紹介します。

電子業の事例

引用元:SOLOMON(https://www.solomon-3d.com/jp/case-studies/solvision/ai-inspection-for-product-labels/)

導入前の課題:従来のシステムでは小さな美観上の欠陥が捉えにくかった

電子機器製造では製品開発や生産、在庫管理を行うにあたって部品のシリアル番号をまとめることが重要となります。製品ラベルが誤って記録されると業務効率が低下するのですが、従来のシステムでは製品番号の正確な記録が困難でした。

導入後の成果:ディープラーニングでフォントの欠陥も検出・識別できるようになった

AIディープラーニングでラベル上の多くの種類のテキストや数字の欠陥を学習したことで、不規則や微妙な数字やフォントでもシステムが欠陥を検出して識別することが可能となりました。欠陥を検出、自動で補ってラベル識別ができるようになり、在庫管理精度を向上することができました。

日用品業界の事例

引用元:株式会社大電社(https://www.daidensha.co.jp/vidi_deeplearning/4305.html)

導入前の課題:液体パウチ製品のラベル有無分類作業を自動化したい

液体パウチは形が変わったり検査をする際に光沢が生じたりすることで通常の画像処理では検査が難しく、さらに液体や袋が透明の場合は気泡が見えることもあってラベルの検出が困難になっていました。

導入後の成果:ディープラーニングでラベルのみの検出が可能になった

ラベルの種類や位置が様々なパウチ製品でも、ディープラーニングでラベルのみを検出できるようになりました。様々なラベル有無を検出できるようになり、他の各検査ツールを組み合わせることでラベル種類の分別も自動化できるようになりました。

ペットボトルAI検査機を導入した事例

引用元:日新電子工業株式会社(https://www.nissin-elc.co.jp/technical/case/niis-aiai.html)

導入前の課題:狭い場所でペットボトルの外観異常検査と重量検査が行いたい

今まではペットボトルのキャップ、ラベルの検査を目視で行っていましたが、小さな異常を見逃してしまうことがありました。また、作業スペースの関係で重量検査と一緒にラベル検査が行えるシステム導入を検討していました。

導入後の成果:省スペースで2つの検査が可能になった

ウェイトチェッカーにカメラを設置することで2つの検査を省スペースで実施することができるようになりました。画像処理は良品のみを学習させて異常を検知するようにしており、NGラベルの検出が可能となりました。また、AIによる異常検知で安定した基準でのチェックが可能となり、ばらつきが解消されました。

【まとめ】製品ラベルチェックはAIで安定した検査が可能になる

製品ごとに異なるデザインやフォント、色などが用いられる製品ラベルは、目視の検査では不良の見逃しが起こりやすくなっています。また、検査員ごとに基準が違えば品質の均一性を保つのも困難です。AIでの製品ラベルチェックを行うことで、安定した基準での検査が可能となります。高速・高精度の検査を人手不足でも自動で行えるのもメリットです。自社に合ったシステムを探し、導入を検討してみましょう。

業界・目的別
画像解析AIのおすすめ3選

様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。

大規模な検査・検知システムを
確立したい

製造業

Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)

Bind Visionのキャプチャ
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand
  • 拡張性の高いプラットフォームで、用途・ライン別の分割運用、全体の統合管理が可能。カメラの増設にも柔軟に対応
  • 製造ラインの状況を一画面で俯瞰し、アラート通知で異常を即時検知。Web APIでスムーズなシステム連携を実現
専門的な画像を高い精度で
解析したい

医療業界

Aivia
(ライカマイクロシステムズ)

Aiviaのキャプチャ
引用元:ライカマイクロシステムズ公式HP
https://www.leica-microsystems.com/jp/製品紹介/画像解析システム/p/aivia/
  • 生体組織に求められる2D~5Dの可視化と解析を実現。神経細胞や臓器構造の観察にも対応できる
  • 45種類以上の顕微鏡画像ファイルフォーマットに対応。様々な用途の研究用データなども無駄なく活用
セキュリティやリスク管理を
重視したい

金融業界

Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)

Azure AI Visionのキャプチャ
引用元:日本マイクロソフト公式HP
https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/ai-vision
  • Microsoftの高度なセキュリティ基準に基づいて設計。クラウド経由の取引にも対応が可能
  • 金融・保険の書類処理や自動データ抽出するOCR、オンライン本人確認機能を搭載。口座開設や本人確認業務を効率化
※情報は2025年3月5日調査時点