製品形状を確認、分類する作業は様々な場面で実施されていますが、人の目によるチェックでは熟練者とそうではない人の差が出たり、見落とし・ミスが生じてしまったりする恐れがあります。しかし、AI画像認識システムの活用でこれらの課題を解決できる可能性があります。ここでは製品形状分類AIを実際に導入した事例についてピックアップして紹介します。
段ボールに入った宅配荷物はX線検査で中身を確認しますが、いくつも重なっていると正確に内容を把握することが困難でした。訓練された検査員がチェックしますが見逃すリスクもありますし、ネット販売普及による荷物増加で検査員の負荷も増えている状況でした。
形状判定技術をディープラーニングで製品化し、重なっているシルエットでも航空禁止物の有無を判定できるようになりました。訓練を受けた検査員と同等の精度での検出が可能となり、検査員とのダブルチェックによって見逃しを15%ほど低減。検査員が認識する作業時間や再撮影・検査時間も短縮できたことで業務効率化につながっています。
Amazonの倉庫には何億種類によも及ぶ多種多様な商品があり、それを人手でチェック、仕分けをするのは時間も手間もかかります。特にブラックフライデー前は多くの注文があり、需要にこたえるための効率化が課題でした。
マシンビジョン搭載のAIロボットを活用することで、カメラで撮影した商品画像を分析し形状や色、動きなどを判断。商品がトラックに積み込まれて最終拠点に運ばれる前の商品仕分けをサポートしており、箱の大きさ、柔らかい梱包、封筒など様々な商品を認識した上で取るべき商品を決め、持ち上げる吸盤の数を選択して商品をつかみます。このようなロボットの働きにより倉庫内で働く作業員をサポートしています。
目視によるダブルチェックをしていても商品の出荷ミスが発生しており、ミスが起こるたびに時間と労力がかかってしまっていました。商品ラインナップが多岐にわたっており、目視によるチェックでは限界がありました。
繁忙期のミスやエラーがなくなり、作業員の心的負担も減少しました。また、目視では10秒かかっていた作業が一瞬で終了するため作業効率もアップし、年間900時間かかっていた検品作業が30時間にまで減少しています。検品は撮影したデータが保存されるため正しく出荷されたかどうかを確認できるようになり、顧客への信頼も高まりました。今後は見栄えの良さ、並び順などのチェックができるよう範囲を広げていきたいと考えています。
人の目によるチェックで商品形状を分類するのは、手間や時間もかかりますしミスが起こる可能性もあります。しかし、AI画像認識を活用すれば疲れることなく、製品の形状分類を自動で実行可能です。ミスが減り、従業員の作業時間も軽減するなど業務効率化にもつながるため、商品分類に課題を抱えている企業は一度検討することをおすすめします。
様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。
Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Aivia
(ライカマイクロシステムズ)
Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)