製品形状分類AIの開発事例を紹介

製品形状を確認、分類する作業は様々な場面で実施されていますが、人の目によるチェックでは熟練者とそうではない人の差が出たり、見落とし・ミスが生じてしまったりする恐れがあります。しかし、AI画像認識システムの活用でこれらの課題を解決できる可能性があります。ここでは製品形状分類AIを実際に導入した事例についてピックアップして紹介します。

空輸する荷物のX線検査に導入した事例

引用元:株式会社日立ソリューションズ(https://future.hitachi-solutions.co.jp/digital/ai/cases/)

導入前の課題:開封できない荷物にある航空禁止物のチェックが困難だった

段ボールに入った宅配荷物はX線検査で中身を確認しますが、いくつも重なっていると正確に内容を把握することが困難でした。訓練された検査員がチェックしますが見逃すリスクもありますし、ネット販売普及による荷物増加で検査員の負荷も増えている状況でした。

導入後の成果:ディープラーニングで判定精度をアップして検査員の負担が軽減

形状判定技術をディープラーニングで製品化し、重なっているシルエットでも航空禁止物の有無を判定できるようになりました。訓練を受けた検査員と同等の精度での検出が可能となり、検査員とのダブルチェックによって見逃しを15%ほど低減。検査員が認識する作業時間や再撮影・検査時間も短縮できたことで業務効率化につながっています。

Amazon

引用元:Amazon(https://www.aboutamazon.jp/news/delivery-and-logistics/5-ways-amazon-is-using-ai-to-improve-your-holiday-shopping-and-deliver-your-package-faster)

導入前の課題:多種多様な商品に対して仕分けをする手間がかかっていた

Amazonの倉庫には何億種類によも及ぶ多種多様な商品があり、それを人手でチェック、仕分けをするのは時間も手間もかかります。特にブラックフライデー前は多くの注文があり、需要にこたえるための効率化が課題でした。

導入後の成果:より迅速に商品発送が可能になった

マシンビジョン搭載のAIロボットを活用することで、カメラで撮影した商品画像を分析し形状や色、動きなどを判断。商品がトラックに積み込まれて最終拠点に運ばれる前の商品仕分けをサポートしており、箱の大きさ、柔らかい梱包、封筒など様々な商品を認識した上で取るべき商品を決め、持ち上げる吸盤の数を選択して商品をつかみます。このようなロボットの働きにより倉庫内で働く作業員をサポートしています。

鎌田醤油株式会社

引用元:株式会社ブレイン(https://corp.bb-brain.co.jp/knowledge/01/)

導入前の課題:商品出荷ミスをどうにかしたかった

目視によるダブルチェックをしていても商品の出荷ミスが発生しており、ミスが起こるたびに時間と労力がかかってしまっていました。商品ラインナップが多岐にわたっており、目視によるチェックでは限界がありました。

導入後の成果:出荷ミスが減り作業効率もアップ

繁忙期のミスやエラーがなくなり、作業員の心的負担も減少しました。また、目視では10秒かかっていた作業が一瞬で終了するため作業効率もアップし、年間900時間かかっていた検品作業が30時間にまで減少しています。検品は撮影したデータが保存されるため正しく出荷されたかどうかを確認できるようになり、顧客への信頼も高まりました。今後は見栄えの良さ、並び順などのチェックができるよう範囲を広げていきたいと考えています。

【まとめ】製品の形状分類はAIで効率よく行える

人の目によるチェックで商品形状を分類するのは、手間や時間もかかりますしミスが起こる可能性もあります。しかし、AI画像認識を活用すれば疲れることなく、製品の形状分類を自動で実行可能です。ミスが減り、従業員の作業時間も軽減するなど業務効率化にもつながるため、商品分類に課題を抱えている企業は一度検討することをおすすめします。

業界・目的別
画像解析AIのおすすめ3選

様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。

大規模な検査・検知システムを
確立したい

製造業

Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)

Bind Visionのキャプチャ
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand
  • 拡張性の高いプラットフォームで、用途・ライン別の分割運用、全体の統合管理が可能。カメラの増設にも柔軟に対応
  • 製造ラインの状況を一画面で俯瞰し、アラート通知で異常を即時検知。Web APIでスムーズなシステム連携を実現
専門的な画像を高い精度で
解析したい

医療業界

Aivia
(ライカマイクロシステムズ)

Aiviaのキャプチャ
引用元:ライカマイクロシステムズ公式HP
https://www.leica-microsystems.com/jp/製品紹介/画像解析システム/p/aivia/
  • 生体組織に求められる2D~5Dの可視化と解析を実現。神経細胞や臓器構造の観察にも対応できる
  • 45種類以上の顕微鏡画像ファイルフォーマットに対応。様々な用途の研究用データなども無駄なく活用
セキュリティやリスク管理を
重視したい

金融業界

Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)

Azure AI Visionのキャプチャ
引用元:日本マイクロソフト公式HP
https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/ai-vision
  • Microsoftの高度なセキュリティ基準に基づいて設計。クラウド経由の取引にも対応が可能
  • 金融・保険の書類処理や自動データ抽出するOCR、オンライン本人確認機能を搭載。口座開設や本人確認業務を効率化
※情報は2025年3月5日調査時点