製造業において、製造工程やその日の作業を記録することは製造実績や作業内容を把握するために欠かせません。しかし、これらの作業はパソコンなどのデバイスに入力したり手書きで記録したり時間がかかるものであり、負担に感じている人も少なくありません。AI画像認識システムを活用することでこれらの作業負担を改善し、より効率よく記録できるようになります。ここでは実際の活用事例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
管理部門から工程に基づいた指示を出しても実際の作業内容と合っていないことがあって指示通りに作業が進まないことがありました。稼働実績収集システムの導入を考えましたが、導入に大きな費用がかかることが分かりシステム構築に課題を感じていました。
生産設備をAIカメラで監視し、社員全員がどこからでも現場状況を見ることができるようになりました。生産管理と現場の連携がうまくいくようになり、人手不足の場所をフォローする、稼働時間も分析表で見える化できるなど業務効率化に活用できています。
製造工程を把握したりトラブルや不良発生が起きたときの原因・範囲を特定したりすることを目的に導入を検討していました。
清掃作業の効率を改善して残業時間が半減しました。また、コンベア製品の配置見直しを行い、生産性改善にもつながっています。2011年当初は10台だったカメラが、現在では50台ほど導入して活用しています。
2006年の新工場建設で敷地が広がり、目が届かない場所が発生しました。社員間の風通しが悪くなったり台車の不足が起こったりなど問題として挙がったことで、ネットワークカメラを社内に取り付けて短時間で記録が見られるようなシステム開発を始めました。
2007年当初は40台ほどの設置からスタートし、すぐに現場の問題点が見えるようになりました。カメラで撮影することによる作業者の意識向上効果もあり、20%ほど一気に生産性がアップ。離れた工程でもカメラで様子を確認できるため社員同士の風通しも良くなり、営業面でもカメラ設置による品質管理が顧客の信頼につながりました。現在では200台のカメラを設置しており、経済産業省2012年IT経営力大賞で最高賞を受賞するなどカメラ活用が評価されています。
製造工程の記録は日々発生するものであり、作業員にとって負担になっている業務の1つです。業務後に日報を作成するなど残業となっているケースも多い中で、AIを活用して記録が自動化できれば、作業員の負担軽減だけでなく人的ミス削減効果も期待できます。作業時間を効率化することで、従業員をコア業務に専念させることができるでしょう。
様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。
Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Aivia
(ライカマイクロシステムズ)
Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)