梱包作業判定AI開発事例を紹介

こちらの記事では、梱包作業判定AIの開発事例を紹介しています。導入を行った目的や企業が抱えていた課題、導入によって得られた成果などをまとめていますので、AI開発の依頼やツールを検討されている方は、ぜひこちらの記事の内容も参考にしてみてはいかがでしょうか

三井物産グローバルロジスティクス

導入前の課題不適切な状態での封函が行われることがあった

荷主の商品を顧客向けに発送する業務を受託している、三井物産グローバルロジスティクスの横浜本牧倉庫では、毎日非常に数多くの発送作業を行っています。繁忙期の場合には、発送が行われる箱の数は1日あたり4万〜5万箱にのぼることも。このような状況を背景として、三井物産グローバルロジスティクスは発送作業の大半をAIはロボットにより自動化。その一環として自動封函機を用いており、1時間におよそ4,000箱を封函可能ではあるものの、中には不適切な状態での封函が行われてしまう場合もありました。

導入後の成果封函作業の品質向上にもつながった

上記の通り、自動封函機を使用する中では不適切な形で封函されてしまうケースもあったことから、三井物産グローバルロジスティクスでは、商品を発送するための箱に対して封を行った際に発生した異常を検知できるAIアプリケーションの導入を行っています。こちらのAIアプリケーションを活用することによって、不適切な形で封函された箱を素早く検知することが可能になりました。さらに、封函作業の品質向上にもつながったというメリットも得られています。

参照元:simily(https://aismiley.co.jp/ai_news/how-to-use-ai-to-solve-problems-in-the-logistics-industry/)

株式会社アラヤ

導入前の課題外観検査において結果のばらつきなどが発生していた

製造業における検品作業では、異常品を取り除くことを目的として外観検査を行っています。この作業は人が目視で行うことが一般的となっていましたが、人材の確保や個人のスキルへの依存、結果のばらつきなどが課題となっていました。

導入後の成果人の代わりに対象物の異常検知が可能に

株式会社アラヤでは、画像認識AI技術を活用し、検品を効率化・自動化するシステムを開発しています。この画像認識AIを用いることによって、カメラが人の代わりに対象物の異常検知を行うことが可能となります。

また、PLC(制御装置)の連動を行えば、異常を検知した際にラインを停止・NGレーンに排出することも可能です。さらに、入荷や出荷の管理、仕分け作業を画像認識AIに任せることによって、バーコードに汚れがついている、ビニールが光を反射しているといった状態でも認識を行えます。

また、バーコードのほかにもOCR技術と組み合わせを行えば、商品ラベル記載の文字列について自動の読み取りも可能に。検品作業は人の手に頼りがちになりますが、AIの導入によって業務負担やコストの削減につなげることが可能となります。

参照元:Develop-Solutions(https://alt.ai/aiprojects/blog/gpt_blog-2594/)

導入社名不明

引用元:株式会社Phoxter(https://www.phoxter.co.jp/archives/2749)

導入前の課題不良箇所のみを適切に検出することが難しかった

従来の外観検査においては、良品状態のばらつきが大きかったために、不良箇所のみを適切に検出する画像処理アルゴリズムの構築が難しい状態となっていました。同種の不良モードにおいても、発生した箇所や不良の程度によって画像への特徴の現れ方が変化しやすかったことから、不良の安定的な検出が困難でした。

導入後の成果不良箇所を高精度に検出可能に

そこでこちらの企業では、株式会社Phoxterが開発したAI外観検査ソリューションを導入。AIを活用することによって、これまでのルールベース画像処理では難しかった不良箇所のみを高精度に検出可能となりました。さらに、良品状態の変化についてAIが学習することによって、過検出をできる限り抑えた柔軟な判定ができるようになったことから、過検出の改善につなげています。

システムの導入によって学習済みのAIモデルを用いた検査が可能となることから、開発工数の削減が可能となるといったメリットが得られます。また、AI外観検査の前後に従来のルールベース画像処理の追加を行うこともでき、現場の要求に応じた柔軟な対応が可能となります。

参照元:株式会社Phoxter(https://www.phoxter.co.jp/archives/2749)

【まとめ】

梱包作業判定AIを活用することによって、梱包作業において発生した不良箇所などの検出が可能となります。人の目で検査を行っている場合にはどうしても見落としなどの問題が出てきますが、AIを活用することによって作業のムラなども発生せず、一定の基準・クオリティでの検出が可能となるというメリットがあります。また、人の手で確認を行わなければならない場合には人材の確保の問題が発生するケースもありますが、AIの導入によって人材不足の問題にも対応が可能となります。

業界・目的別
画像解析AIのおすすめ3選

様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。

大規模な検査・検知システムを
確立したい

製造業

Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)

Bind Visionのキャプチャ
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand
  • 拡張性の高いプラットフォームで、用途・ライン別の分割運用、全体の統合管理が可能。カメラの増設にも柔軟に対応
  • 製造ラインの状況を一画面で俯瞰し、アラート通知で異常を即時検知。Web APIでスムーズなシステム連携を実現
専門的な画像を高い精度で
解析したい

医療業界

Aivia
(ライカマイクロシステムズ)

Aiviaのキャプチャ
引用元:ライカマイクロシステムズ公式HP
https://www.leica-microsystems.com/jp/製品紹介/画像解析システム/p/aivia/
  • 生体組織に求められる2D~5Dの可視化と解析を実現。神経細胞や臓器構造の観察にも対応できる
  • 45種類以上の顕微鏡画像ファイルフォーマットに対応。様々な用途の研究用データなども無駄なく活用
セキュリティやリスク管理を
重視したい

金融業界

Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)

Azure AI Visionのキャプチャ
引用元:日本マイクロソフト公式HP
https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/ai-vision
  • Microsoftの高度なセキュリティ基準に基づいて設計。クラウド経由の取引にも対応が可能
  • 金融・保険の書類処理や自動データ抽出するOCR、オンライン本人確認機能を搭載。口座開設や本人確認業務を効率化
※情報は2025年3月5日調査時点