組立工程チェックAIの開発事例を紹介

組み立て工程の検査を目視・手作業で行うと、疲れや見間違いなどによるミスが起こる恐れがあります。しかし、AIで画像を認識させてチェックをすればミスを大きく減らすことができますし、検査時間の短縮も可能です。ここでは、実際にAIで組み立て工程検査を行っている事例を紹介します。

株式会社サカタ製作所

引用元:BSNアイネット(https://www.bsnnet.co.jp/service/casestudy-ai-01.html)

導入前の課題:複数人のチェックでも不良を100%検出することができなかった

製品の組み立て状態を目視で確認する作業を複数人で行っていましたが、疲労や見間違いなどによる不良発生が起こってしまい信頼低下や取引停止につながるリスクがありました。また、人手不足も課題となっており、目視以外での製品チェックが求められていました。

導入後の成果:高精度で組み付け不良を検出できるようになった

正常な状態や異常な状態の画像をAIに学習させることで、自動で組み付け不良が判別できるようになりました。部品数が多い場合でも判定領域を区切ることで判別可能となり、ボルト長計測では99%、部品組み付け順などの不良品検知で98%という高い精度の検査が実現できています。

電子機器のはんだ付け工程事例

引用元:Impulse(https://www.brains-tech.co.jp/impulse/vi-assembly/)

導入前の課題:目視検査は難易度が高く見逃しが発生していた

プリント基板のパーツ配置やはんだの不良を目視でチェックしていましたが、0.1mm単位のズレや、繊細な文字・テクスチャの違いなど検査の難易度が高く見逃しが発生していました。また、目視検査時間もかかっており、検査時間の短縮も課題となっていました。

導入後の成果:検査時間が大幅に短縮

コンベア上を流れる基板を常時監視して部品を認識。部品間の位置関係や向きを高精度の部品認識技術で判定し、1品種に対して2・3分登録するだけで自動検査ができるようになりました。目視検査が自動検査化できたことで、検査コスト削減につながっています。

食品・飲料業での事例

引用元:株式会社マーストーケンソリューション(https://www.mars-tohken.co.jp/case/assemblyinspection/)

導入前の課題:手作業での検査でばらつきや人的ミスが起こっていた

手作業でお菓子の並び順などの工程チェックを行っていましたが、検査のばらつきがあったり検査作業に時間とコストがかかったりしていることが課題でした。また、人による検査では精度に限界があり、どうしても不良見逃しリスクが生じてしまう状態でした。

導入後の成果:不良品検出率が上がりミスも大きく削減

AIカメラでお菓子の並び順をインライン上でチェックし、自動で順序の正誤判断が行えるようになりました。お菓子の有無や並び順をチェックし、検査精度が向上。検査時間工程も大きく削減でき、専用設備がいらなかったため運用コストを抑えることができました。

【まとめ】組立工程をAIカメラでチェックすれば自動で異常チェックが可能

製品の組み立て工程において、部品の有無や配置、向き、組み付けや詰め合わせ内容の確認などは手作業、目視で行うことも多く、人による作業であるためにミス・見逃しが起こりがちです。しかし、AIの画像認識システムを活用すれば部品の位置、向き、並び順などを自動で検査可能となるため、人手不足でも精度の高い検査を行うことができます。安定した組み立て工程チェックを課題としている方は、自社に合うシステムを探してみると良いでしょう。

業界・目的別
画像解析AIのおすすめ3選

様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。

大規模な検査・検知システムを
確立したい

製造業

Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)

Bind Visionのキャプチャ
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand
  • 拡張性の高いプラットフォームで、用途・ライン別の分割運用、全体の統合管理が可能。カメラの増設にも柔軟に対応
  • 製造ラインの状況を一画面で俯瞰し、アラート通知で異常を即時検知。Web APIでスムーズなシステム連携を実現
専門的な画像を高い精度で
解析したい

医療業界

Aivia
(ライカマイクロシステムズ)

Aiviaのキャプチャ
引用元:ライカマイクロシステムズ公式HP
https://www.leica-microsystems.com/jp/製品紹介/画像解析システム/p/aivia/
  • 生体組織に求められる2D~5Dの可視化と解析を実現。神経細胞や臓器構造の観察にも対応できる
  • 45種類以上の顕微鏡画像ファイルフォーマットに対応。様々な用途の研究用データなども無駄なく活用
セキュリティやリスク管理を
重視したい

金融業界

Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)

Azure AI Visionのキャプチャ
引用元:日本マイクロソフト公式HP
https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/ai-vision
  • Microsoftの高度なセキュリティ基準に基づいて設計。クラウド経由の取引にも対応が可能
  • 金融・保険の書類処理や自動データ抽出するOCR、オンライン本人確認機能を搭載。口座開設や本人確認業務を効率化
※情報は2025年3月5日調査時点