AI画像検査の開発事例を紹介

製品の外観チェックは目視で行うのが一般的ですが、人が行う作業になるためどうしてもミスが起こってしまいます。ここでは、AIを使って画像検査を行った事例について、導入前の課題や導入後の成果を紹介します。

スタッフの負担を軽減してライン停止時間が10%以上減少

引用元:NEC(https://jpn.nec.com/press/202308/20230825_01.html?utm_source=chatgpt.com)

導入前の課題:人材不足により製品品質維持が難しくなっていた

専任スタッフが製品欠陥の疑いがあるたびにラインを停止させて目視チェックを行うことによって安全で高品質な製品を提供していましたが、現場での人手不足が問題となっていたためデジタル技術の活用を考えていました。

導入後の成果:ライン停止時間削減と欠陥検知精度の向上を実現

既存の検査ラインに影響がないところに産業用カメラを追加で設置し、複数のカメラ画像と「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」を活用して欠陥を解析するシステムを導入しました。正常な箇所を欠陥と判断する過検出を大幅に削減することで検査精度が向上し、ラインの停止時間も10%以上減少させるなど業務効率化につながっています。

富山小林製薬株式会社

引用元:WiseImaging(https://vrr.cec-ltd.co.jp/product/wsi/case/toyamakobayashi/wiseImaging_toyamakobayashi.pdf)

導入前の課題:従来の画像処理システムで正確に判定できない製品があり過検出が多発していた

ほとんどの製品は従来の画像処理システムで判定できていましたが、光沢がある外装は良品でも欠陥だと判断されてしまうことがありました。システムを調整しても過検出率は30%となり、専任の検査員を配置して目視での検品を必要としていました。

導入後の成果: 目視の検査員が不要になり3割増しの増産が可能になった

インラインとオンラインでのテスト・調整を繰り返し本格的に導入した際には今まで3人配置していた検査員が不要となり、人的リソースを再配置できるようになりました。現在は1本のラインのみの導入ですが、今後は2本目のラインにも導入を考えています。

株式会社ロッテ狭山工場

引用元:ロッテ(https://www.lotte.co.jp/entertainment/shallwelotte/lotteaction/koala/)

導入前の課題:お菓子の外観チェックは人手に頼っており判別基準が一定ではなかった

その日の気温や湿度によりお菓子の外観は個体差が出るため、機械での判別には限界があり人によるチェックに頼らざるを得ない状態でした。交代制で数人の検査員を必要としており、判別の基準が作業者に依存していたために基準が人によって違ったり神経を使った作業で疲れが出てしまったりなど均質化に課題がありました。

導入後の成果:判別が難しい不良品判定が自動化可能になった

判定結果とセンサでお菓子のデータを集約、分析し、お菓子のように個体差が生じやすく判別が難しい製品でも高精度で外観の検出が可能となりました。その結果、人的ミスの削減、コスト削減、作業効率向上につながっています。また、生産の列ごと、時間帯ごとの不良品発生データを蓄積し、分析することで今後は前工程の改善や不良品発生防止につなげることも検討しています。

AI画像検査を開発する方法

クラウド型外観検査AIサービスを利用する

Amazon Web Services(AWS)が提供している「Amazon Lookout for Vision」などのクラウドサービスを利用する方法が考えられます。こちらのサービスの場合には、良品と不良品の画像をクラウドにアップロードすることによってシステムが画像の特徴を分析することができ、欠陥・傷などを見つけることができるAIモデルの作成が可能です。プログラミングは不要なので、専門知識がなかったとしても検査AIのプロトタイプを作成可能ですが、判定結果を排出装置に送信するためのシステム構築が必要な場合には、システム会社への委託が推奨されます。

専門ソフトウェアを活用

画像処理システムの大手であるコグネックス社が提供する「VisionPro Deep Learning」など、専門ソフトウェアを活用する方法も考えられます。このツールは、ディープラーニングをベースとした画像解析ソフトであり、製造現場における厳しい品質基準を満たす検査システムの構築が行えます。こちらのソフトには非常に高度な機能が搭載されていることに加え、光学的な知識も欠かせないことから、ベンダーへの導入・設定を委託するという選択肢も考えられます。

ライブラリを使用し独自の検査プログラムを開発

Googleが開発した「TensorFlow」などのライブラリを使用し、Pythonなどのプログラミング言語によって独自の検査プログラムを作成するという方法もあります。この場合、市販のツールでは対応していない特殊な画像処理工程を組み込むことができる、高い精度での検査に繋げられるなどのメリットがあるものの、AIの設計から学習データの加工など、高度なデータサイエンスとエンジニアリング能力が求められることから、専門に開発を行っている会社に依頼することが必要となります。

画像解析AI開発ツール・プラットフォームの料金・機能比較

ここでは、クラウドやオンプレミスなどのタイプ、料金、主な対応業界などの詳細情報を公式HPに掲載している画像解析AI開発ツール・プラットフォームをピックアップして比較します。

▼左右にスクロールできます▼
Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Bind Vision公式サイト
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
(https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand)
OPTiM AI Camera
Enterprise

(OPTiM)OPTiM AI Cameraシリーズ公式サイト
引用元:OPTiM AI Cameraシリーズ公式HP
(https://www.optim.co.jp/optim-ai-camera/)
オールインワン
AI画像解析パッケージ

(大塚商会)大塚商会公式サイト
引用元:大塚商会公式HP
(https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/ai-iot/ai-camera-analysis/)
タイプクラウドオンプレミス/クラウド
(選択可)
オンプレミス
基本料金
  • 初期費用:なし
  • 基本プラン:3万円/月
  • 初期費用:66万円※1
  • 導入費:440万円
導入までの期間即時
(契約後すぐに使用可能)
最短約6週間
(公式HPに記載なし)
トライアル有り
(1か月無償で使用可能)

(公式HPに記載なし)

(公式HPに記載なし)
APIWeb APIでプログラムを
問わず、連携可能
 ※2
APIで既存アプリ、
システムとの連携が可能

(公式HPに記載なし)
主な対応業界製造業/防災事業者/自治体小売業/交通機関/医療業界建設業/小売業/製造業
【選定条件】
「画像解析AI開発ツール」とGoogle検索して上位表示されるAI開発ツール30社のうち、クラウドorオンプレミスでのプラットフォームを提供している製品をピックアップし、
公式HPに導入費用などの価格掲載があるソフトの情報を掲載しています。
※1.OPTim Edge Entryの場合、カメラ5台まで処理可能。
※2.煙検出AIの場合、1セット=45,000回/月の実行回数。
(2025年3月5日調査時点)

【まとめ】AIを使った画像検査は均一なチェックが可能

AI画像検査を行うことで、今までは人力で行っていた検査が自動化できるようになります。人力ではどうしても熟練度や疲れなどによって判断の違いが生じてしまい、製品の基準があいまいになることもありますがAIであれば疲れを感じることなく一定の基準でのチェックが可能です。また、人材不足の製造業でも必要なところに人員を配置できるようになるなどのメリットがあります。

このサイトではシステム開発業界や目的に応じておすすめの画像解析AIを紹介しています。業務の効率化をはじめ課題を抱えている事業者の方は、ぜひ参考にしてください。

業界・目的別
画像解析AIのおすすめ3選

様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。

大規模な検査・検知システムを
確立したい

Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)

Bind Visionのキャプチャ
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand
  • 拡張性の高いプラットフォームで、用途・ライン別の分割運用、全体の統合管理が可能。カメラの増設にも柔軟に対応
  • 製造ラインの状況を一画面で俯瞰し、アラート通知で異常を即時検知。Web APIでスムーズなシステム連携を実現
専門的な画像を高い精度で
解析したい

Aivia
(ライカマイクロシステムズ)

Aiviaのキャプチャ
引用元:ライカマイクロシステムズ公式HP
https://www.leica-microsystems.com/jp/製品紹介/画像解析システム/p/aivia/
  • 生体組織に求められる2D~5Dの可視化と解析を実現。神経細胞や臓器構造の観察にも対応できる
  • 45種類以上の顕微鏡画像ファイルフォーマットに対応。様々な用途の研究用データなども無駄なく活用
セキュリティやリスク管理を
重視したい

Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)

Azure AI Visionのキャプチャ
引用元:日本マイクロソフト公式HP
https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/ai-vision
  • Microsoftの高度なセキュリティ基準に基づいて設計。クラウド経由の取引にも対応が可能
  • 金融・保険の書類処理や自動データ抽出するOCR、オンライン本人確認機能を搭載。口座開設や本人確認業務を効率化
※情報は2025年3月5日調査時点