製品の外観チェックは目視で行うのが一般的ですが、人が行う作業になるためどうしてもミスが起こってしまいます。ここでは、AIを使って画像検査を行った事例について、導入前の課題や導入後の成果を紹介します。
専任スタッフが製品欠陥の疑いがあるたびにラインを停止させて目視チェックを行うことによって安全で高品質な製品を提供していましたが、現場での人手不足が問題となっていたためデジタル技術の活用を考えていました。
既存の検査ラインに影響がないところに産業用カメラを追加で設置し、複数のカメラ画像と「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」を活用して欠陥を解析するシステムを導入しました。正常な箇所を欠陥と判断する過検出を大幅に削減することで検査精度が向上し、ラインの停止時間も10%以上減少させるなど業務効率化につながっています。
ほとんどの製品は従来の画像処理システムで判定できていましたが、光沢がある外装は良品でも欠陥だと判断されてしまうことがありました。システムを調整しても過検出率は30%となり、専任の検査員を配置して目視での検品を必要としていました。
インラインとオンラインでのテスト・調整を繰り返し本格的に導入した際には今まで3人配置していた検査員が不要となり、人的リソースを再配置できるようになりました。現在は1本のラインのみの導入ですが、今後は2本目のラインにも導入を考えています。
その日の気温や湿度によりお菓子の外観は個体差が出るため、機械での判別には限界があり人によるチェックに頼らざるを得ない状態でした。交代制で数人の検査員を必要としており、判別の基準が作業者に依存していたために基準が人によって違ったり神経を使った作業で疲れが出てしまったりなど均質化に課題がありました。
判定結果とセンサでお菓子のデータを集約、分析し、お菓子のように個体差が生じやすく判別が難しい製品でも高精度で外観の検出が可能となりました。その結果、人的ミスの削減、コスト削減、作業効率向上につながっています。また、生産の列ごと、時間帯ごとの不良品発生データを蓄積し、分析することで今後は前工程の改善や不良品発生防止につなげることも検討しています。
AI画像検査を行うことで、今までは人力で行っていた検査が自動化できるようになります。人力ではどうしても熟練度や疲れなどによって判断の違いが生じてしまい、製品の基準があいまいになることもありますがAIであれば疲れを感じることなく一定の基準でのチェックが可能です。また、人材不足の製造業でも必要なところに人員を配置できるようになるなどのメリットがあります。
このサイトではシステム開発業界や目的に応じておすすめの画像解析AIを紹介しています。業務の効率化をはじめ課題を抱えている事業者の方は、ぜひ参考にしてください。
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