手作業によるピッキングは人的ミスが起こりやすいだけでなく、人によって作業効率が異なったり人件費がかかったりする課題があります。AIを活用してピッキングをサポートすれば、ミスを減少させて作業効率を向上し、人手不足が解消できる可能性があります。ここでは、AIピッキング支援システムの導入事例を紹介します。
数千種類もの商品を箱からオーダーごとにピッキング、仕分けを行っていますが、供給時の商品破損や、角のひっかかり、縁の張り付きなどの問題がありました。
高精度のカラー点群データを生成し、多種類の吸盤と組み合わせることで商品の大きさによって吸盤を選択・安定して把持することができるようになりました。AIによるアルゴリズムによって角のひっかかりなどの課題を解決し、ピッキング効率を導入前の2倍以上に向上させることができました。また、動作の安定性や精度が高まったことで安定した24時間運行も可能となっています。
シャフトを機械にセットして加工するにあたりピッキング作業を行っていましたが、コンテナ内で何段も積み重なっていたことや仕上げ加工後の反射があることでピッキングの効率に課題がありました。
広い視野でコンテナ全体を撮影し、高精度な点群データを生成。反射や油汚れ、積み重なった状態でも自動衝突検出や軌跡計画によって的確にピッキングを行えるようになりました。ロボットの安定性がアップし、生産性も以前の2倍に向上しています。
1時間に700個の重なったベビーボトルの乳首を効率的にピッキングすることを課題としていました。乳首は半透明であったため、標準のシステムでは正確な検出が困難でした。
ディープラーニングとビンピッキングシステムを組み合わせることにより半透明のオブジェクトでも向きに関係なくアイテムとして確実に把握し、97%のピッキング精度を達成することができました。1時間あたり850個のピッキングが可能となり、期待を超える成果が出ています。
AIを使ったピッキングシステムを活用すれば画像処理によって必要となる商品を識別して的確にピッキングを行うため、ミスが削減し人手不足解消効果も期待できます。作業効率向上や人件費に課題を抱えている企業はAIを活用することで改善できる可能性があります。自社に合うシステムを選択することが大切です。
様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。
Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Aivia
(ライカマイクロシステムズ)
Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)