設備点検AIとは、AIを使って工場やインフラなどの設備を点検する技術のことです。
このページでは、設備点検AIの開発事例をご紹介します。導入前の課題と導入後の成果をまとめているので、AI開発の依頼・ツール導入を検討している方は参考にしてください。
九州電力は、広範囲かつ高所にも及ぶインフラ設備の点検を限られた人員で実施しており、作業負担や安全性の確保が課題でした。
設備の点検には専門知識を持った技術者が現地に出向かなくてはならず、時間とコストの削減も求められていました。
ドローンを活用したインフラ点検事業を提供するジャパン・インフラ・ウェイマークと共同開発を実施。米国Skydio社製のドローンを活用し、国内で初めて複数機体による自動・自律巡回飛行の実証を行いました。
1台のパソコンから3機のドローンを同時に遠隔操作し、それぞれが撮影した映像をリアルタイムに一元管理するシステムを構築。現地に足を運ぶことなく複数の設備点検を同時にできるようになりました。
非GPS環境や磁界の影響を受ける場所などの点検も、自律飛行ドローンを活用することで安全に実施できるようになっています。
電気保安規程により定期的な巡視点検が義務づけられている中、現場ではメータの読み取り作業を人手で行っていました。点検エリアが広範囲の場合は特に、非効率な業務と人員確保が大きな課題となっていました。
メータの読み取りにIoTカメラを適用し、取得した画像をAIで解析して自動的に数値をデータ化。保全業務の省人化・リモート化を実現したことで、現場に赴くことなく遠隔でメータの確認ができるようになりました。
読み取ったデータはトレンド表示や帳票の自動作成にも活用できるため、点検作業全体の効率化が図れます。その結果、従来と比較して最大95%の作業工数削減を実現しました。
プラントの点検業務を担うA社では、カメラで配管パイプの外面を撮影し、その動画や画像をもとに劣化箇所を特定。重点的に検査すべき部位を抽出する、という手順で点検を行っていました。
しかし、この工程には高度な目視判断力と経験が必要。検査員の人手不足や検査品質のばらつきなどが指摘される中、検査の標準化が求められていました。
画像データから劣化状態を自動で判定するAIを開発・導入。撮影された動画や画像をもとに劣化具合を分類し、重点検査部を自動で抽出することで、検査員の負担を大幅に軽減しました。
加えて、AIによる判定を熟練検査員の基準に合わせて学習させることで、検査品質の平準化も実現しています。
ここでは、クラウドやオンプレミスなどのタイプ、料金、主な対応業界などの詳細情報を公式HPに掲載している画像解析AI開発ツール・プラットフォームをピックアップして比較します。
| Bind Vision (キヤノンITソリューションズ)
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP (https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand) |
OPTiM AI Camera Enterprise (OPTiM)
引用元:OPTiM AI Cameraシリーズ公式HP (https://www.optim.co.jp/optim-ai-camera/) |
オールインワン AI画像解析パッケージ (大塚商会)
引用元:大塚商会公式HP (https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/ai-iot/ai-camera-analysis/) |
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| タイプ | クラウド | オンプレミス/クラウド (選択可) | オンプレミス |
| 基本料金 |
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| 導入までの期間 | 即時 (契約後すぐに使用可能) | 最短約6週間 | ― (公式HPに記載なし) |
| トライアル | 有り (1か月無償で使用可能) | ― (公式HPに記載なし) | ― (公式HPに記載なし) |
| API | Web APIでプログラムを 問わず、連携可能 ※2 | APIで既存アプリ、 システムとの連携が可能 | ― (公式HPに記載なし) |
| 主な対応業界 | 製造業/防災事業者/自治体 | 小売業/交通機関/医療業界 | 建設業/小売業/製造業 |
一つ目の方法として、設備保全業務に特化したプラットフォームを利用して開発・運用を行っていく方法が考えられます。モバイル端末を使用して撮影した設備画像をクラウドにアップロードし、ノーコードでAIの作成を行うという流れになります。例えば「配管のさび」や「コンクリートのひび割れ」といったように設備の老朽化に関する兆候を学習させることができ、作成したAIをそのまま現場の点検用アプリとして利用ができるようになります。
高機能な画像処理ソフトウェアを利用して開発を行う方法です。例えば、ドイツのMVTec社が開発した「HALCON(ハルコン)」などは、AIによる異常箇所の検知に加え、数学的な画像処理による寸法計測や位置特定などを組み合わせられるといった特徴があることから、単なる良否判定だけではない複雑な点検処理の自動化も行うことが可能です。
非常に多機能で自由度が高い点がメリットではあるものの、操作や設計に専門知識が求められることから、外部への委託も選択肢のひとつとして検討しておくことがおすすめです。
「PyTorch(パイトーチ)」などのオープンソースライブラリを使用し、ゼロからプログラムを記述していくことで開発を行う方法です。特殊なデータ形式を扱いたい場合や、独自の点検フローを構築したい場合に用いられる方法です。こちらの方法の場合には、高度なプログラミングスキルとAIモデルの設計に関する知識が求められることから、社内に対応できるチームがなければAI開発の実績が豊富な会社へ委託して開発を進めていくことが一般的であるといえます。
電力・インフラ・製造などさまざまな分野で省人化・効率化・品質の平準化といった成果を生み出している設備点検AI。
導入することで、不具合やトラブルの予兆を早めに把握し、対応を取ることが可能。高所や危険な場所でも微細な異常を高精度に検出できるため、従業員の安全確保といった点からも注目を集めています。
設備点検AIの導入を成功させるためには、現場ニーズに応じたAIを選ぶことが大切です。自社の業務フローや課題を明確にした上で、適した技術を選びましょう。
また、当メディアではシステム開発の業界・目的別におすすめの画像解析AIを紹介しています。製造業、医業、金融業など、開発システムを活用する業界・目的によって、選ぶべき画像解析AIは変わってくるもの。自社の開発システムに合った画像解析AIを導入したいと考えているSIer・AI事業者の皆様は参考にしてみてください。
各製品・サービスをじっくり比較・検討したい方のために、画像解析AIを利用できる開発ツール・ソリューションを一覧掲載しているページもご用意しています。機能や料金の違いを知りたい方は、こちらも併せてご確認ください。
様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。
Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Aivia
(ライカマイクロシステムズ)
Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)