受注伝票や出荷伝票などの処理を手作業で行うと、フォーマットの違いやシステム連携のための手入力の手間がかかり、ミスが起こる可能性もあります。繁忙期になると残業も増え、業務効率化が課題となっている企業もあるでしょう。ここでは、伝票読取りにAIを活用して自動データ化に成功した事例を紹介します。
繁忙期には1日1,000件を超えるような注文がある中で、注文情報はシステムに手入力で行っており伝票の仕分けも手作業で行っていました。出荷時には宅配伝票と商品情報データを照合するなど出荷が夜中までかかる日もあり、業務負担が大きくなっていました。
お客様の宅配伝票の記入、弊社での専用用紙の転記、伝票と専用用紙の横持ち、製造部での伝票の仕分けの工程が削減されたことで、お客様は伝票ではなく申込書に記入したものを接客中にスキャニング・処理を行いデータ化できるようになりました。20秒ほど時間がかかるため、その待ち時間に商品登録や精算を実施。申込書がデジタル化できたことで繁忙期には注文から発送まで中3日かかっていたものが当日出荷可能になるなど、配送までの業務効率化が実現できています。
ギフト発送代行業務では、受注分の宅配伝票をハンディスキャナーで抽出し、作業指示書を手書きで作成するため手間がかかっていました。繁忙期に業務が集中し、1日1,000枚から2,000枚もの伝票を処理するために人員確保が必要となっていました。
ハンディスキャナーでの読取りや手書き作業が減り、お歳暮シーズンとお中元シーズンだけで1,200時間もの作業時間短縮が実現できました。伝票作業をするためのパート募集を行っていましたが、人数を例年の25~30人から14人と大幅に減らすことができています。残業も減り、手書きによる記入ミスも減ったことでミス対応が減ったのも嬉しい効果です。
通販会社や小売業などの顧客企業から届く受注票は異なるフォーマットになっていて、それを社内で入力処理・CSV形式のデータにしてデータベースに格納するという作業が休みなく行われている状態でした。アナログとデジタルが入り混じる煩雑な業務になっており、業務効率化や働き方改革を考えたときに課題になっていました。
ファックスで届いた受注票データを出力前に画像処理し、それを社内開発のプログラムで種別ごとに仕分けをして読取り処理を行います。AIで文字認識をして自動でCSVデータを作成。手入力での作業が減り、最終的な目視チェックだけで済むようになったことで業務時間が導入前より半分近く短縮する効果が得られています。業務改善に対する従業員の意識も高まり、積極的に改善を行う前向きな空気が満ちています。
伝票処理はAIを使えば自動でデータ化できます。手作業で行っていた伝票処理が自動化することで入力ミスや人件費削減などの効果が期待できます。AI画像認識システムは多くの種類があるため、自社に合うものを選ぶことが大切です。煩雑な作業に追われている企業は、ぜひチェックしてみてください。
様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。
Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Aivia
(ライカマイクロシステムズ)
Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)