製造ライン異常検知AIとは、工場などの製造ラインで異常や不具合を検知するAIシステムのことです。
このページでは、製造ライン異常検知AIの開発事例をご紹介します。導入前の課題や導入後の成果などについてまとめているので、AI開発の依頼・ツール導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
SUBARUは、航空機の主翼を支える「中央翼」の組立工程において、高い精度が要求される穿孔作業を担っています。構造が複雑なため、従来の方法では異常が発生してもすぐに検知できず、修正作業や製品の廃棄が発生。作業負荷やコストが増大する課題を抱えていました。
穿孔異常のリアルタイム検知を実現するため、マクニカが提供するセンシングデバイス「SENSPIDER」を導入。既存の穿孔機にシステムを後付けする形で、異常検知AIシステムを構築しました。
正常なドリルと欠損したドリルの振動差から、精度の高い判定アルゴリズムを生成。穿孔中の異常をリアルタイムに検出可能になった上、振動センサーによる8系統の高精度データも取得できるようになりました。
沖電気工業は、防衛産業に携わっている企業です。防衛装備庁との契約に基づき、防衛装備品の製造工程へ先進技術の導入を進めてきました。
今回着目したのは、電子基板へチップを配置する工程です。チップを基板に配置する際に使う吸着ノズルに異常がないかチェックするため、AI検査システムの実証実験を進めることになりました。
Laboro.AIと協力し、AIによる画像検査の実証実験を開始。1枚の画像に1本のノズルが写り、OK/NGを判定するシンプルな構成である点に着目し、「画像分類」によるAI検査システムを開発しました。
ノズル先端部の自動切り出しなどの前処理と、AI出力に基づく後処理ロジックを組み合わせ、26回に及ぶAIモデル開発と精度チューニングを実施。見逃し率1.9%、虚報率20.9%という成果を実現し、実証実験を順調にクリアしています。
航空宇宙・電気機器・インフラなど、異なる業界における異常検知AIの事例をご紹介しました。各事例に共通していたのは、「現場固有の課題に応じてAIの仕組みを柔軟に設計」している点です。
AIを導入する際は技術ありきではなく、業界特性や現場の業務フローに合わせることが大切。どの工程でどのような精度が求められるか、よく確認した上で検討を進めましょう。
また、当メディアではシステム開発の業界・目的別におすすめの画像解析AIを紹介しています。製造業、医業、金融業など、開発システムを活用する業界・目的によって、選ぶべき画像解析AIは変わってくるもの。自社の開発システムに合った画像解析AIを導入したいと考えているSIer・AI事業者の皆様は参考にしてみてください。
各製品・サービスをじっくり比較・検討したい方のために、画像解析AIを利用できる開発ツール・ソリューションを一覧掲載しているページもご用意しています。機能や料金の違いを知りたい方は、こちらも併せてご確認ください。
様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。
Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Aivia
(ライカマイクロシステムズ)
Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)