工場搬送物識別AIの開発事例を紹介

工場での搬送物を計測したり仕分けたりする際には、人が直接見て、数えて行うことも少なくありません。時間や労力がかかるだけでなくミスが起こるリスクもありますが、AIを活用することでこれらの業務は改善できる可能性があります。ここではAIの導入事例をピックアップして紹介します。

工場出荷、倉庫、店舗での活用例

引用元:MTS(https://www.mars-tohken.co.jp/case/quantitycheck/)

導入前の課題:出荷前数量検査に時間がかかっていた

導入前は人の手で数量検査を行っており、時間も手間もかかっていました。

導入後の成果:素早く正確な計数が可能となった

カメラで撮影したものをAIで画像処理することで簡単に素早く物品を計測できるようになりました。反射で確認しづらい部分も、AIが的確に検知します。また、数だけでなく色順や製品の有無など様々な検査が可能です。

物流搬送ラインでの事例

引用元:アクロクエストテクノロジー株式会社(https://recruit.acroquest.co.jp/torrentio_video/)

導入前の課題:人手不足の中で荷物仕分けを人の手で行っていた

バーコードやセンサーでの仕分けでは荷物の形や色が判別できず、人の手を使って仕分け作業を行っていました。また、仕分け作業は多くの労力が必要であり、ミスが起こるリスクもありました。

導入後の成果:荷物仕分けが自動化された

搬送ラインを流れる荷物をカメラで撮影したものをAIで分析することで形や色まで含めた仕分けが自動でできるようになりました。今まで必要だった人手が不要となり、他の重要な仕事に人的リソースを再配置できるようになりました。

トヨタL&F(豊田自動織機)

引用元:国土交通省 物流・配送会社のための物流DX導入事例集(https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001609016.pdf)

導入前の課題:自動で荷下ろし、積み込みできる箱が1種類だけだった

従来のシステムでは自動での荷下ろし、積み込みができるのは1種類の箱サイズだけであったが、1つのコンテナが1種類の箱で埋まることはなく人力での積み込みが欠かせませんでした。また、コンテナ内に複数の作業員が密集するため、感染症リスクもありました。

導入後の成果:ケースサイズに応じて最適な積み込み方法を選択し、自動で積み込めるようになった

全方向移動、自動運転での荷下ろし・積込みを実現するロボットを導入。画像処理で積み込むケースの輪郭を認識して積み込み状況を検出し、画像認識で最適な荷下ろしが可能となりました。積み込み時にもケースをケースサイズに応じて縦積みや横積みなど最適な方式を自動で選択されるため、作業員は重労働から解放されました。人がコンテナ内で密集することもなく、感染症リスク軽減にもつながります。

【まとめ】工場での搬送物の識別もAIで効率化できる

工場では様々な搬送物があり、色や形、大きさなどを識別するのに人の手が欠かせないところも多くあります。作業員が人力で識別作業を行うのは時間や手間がかかり、他の仕事に注力できないなどの課題もありますが、搬送物の識別はAIを活用することで効率化可能です。人が行うと起こり得るミスのリスクを軽減し、素早く正確な計測や仕分けができる可能性もあるため、課題を抱えている場合は自社に適したAI画像解析システムを探してみると良いでしょう。

業界・目的別
画像解析AIのおすすめ3選

様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。

大規模な検査・検知システムを
確立したい

製造業

Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)

Bind Visionのキャプチャ
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand
  • 拡張性の高いプラットフォームで、用途・ライン別の分割運用、全体の統合管理が可能。カメラの増設にも柔軟に対応
  • 製造ラインの状況を一画面で俯瞰し、アラート通知で異常を即時検知。Web APIでスムーズなシステム連携を実現
専門的な画像を高い精度で
解析したい

医療業界

Aivia
(ライカマイクロシステムズ)

Aiviaのキャプチャ
引用元:ライカマイクロシステムズ公式HP
https://www.leica-microsystems.com/jp/製品紹介/画像解析システム/p/aivia/
  • 生体組織に求められる2D~5Dの可視化と解析を実現。神経細胞や臓器構造の観察にも対応できる
  • 45種類以上の顕微鏡画像ファイルフォーマットに対応。様々な用途の研究用データなども無駄なく活用
セキュリティやリスク管理を
重視したい

金融業界

Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)

Azure AI Visionのキャプチャ
引用元:日本マイクロソフト公式HP
https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/ai-vision
  • Microsoftの高度なセキュリティ基準に基づいて設計。クラウド経由の取引にも対応が可能
  • 金融・保険の書類処理や自動データ抽出するOCR、オンライン本人確認機能を搭載。口座開設や本人確認業務を効率化
※情報は2025年3月5日調査時点