画像認識AIを搭載した「火災検知システム」の事例を掲載しています。システム導入前に抱えていた課題、システム導入後の成果をまとめているので、AI搭載型の火災検知システムを開発したいと考えている方は参考にしてみてください。
江戸川区には、火災時に延焼する可能性が高い木造住宅密集地域が複数あります。防災の目的で高所カメラを取り付けていましたが、カメラ映像から火災の発生場所を特定するのは困難でした。
そこで、キヤノンITソリューションズと協力して新しい火災検知システムを開発することに。「煙検出AI連携サービス」と「カメラ地図連携アプライアンス」というソリューションを組み合わせ、素早く初動対応できる仕組みを作ることにしました。
さまざまな天候・時間帯の煙画像データをCGで作成し、AIの機械学習を実施。高所カメラで撮影された画像を24時間体制で解析し、煙を自動検知して担当者へ即時通知する火災検知システムを開発することに成功しました。
火災が起きている可能性が高い場所の映像をすぐに確認できるようになり、被害拡大防止に大きく貢献しています。
川越市は、250件以上の指定文化財および歴史的建造物を保有しています(2025年3月時点)。これらの文化財を今後も継承していくには、火災対策の取り組みが必要です。
しかし従来の監視体制では、火災が起きてもすぐに気づくことができず、被害拡大を防ぐための対策が求められていました。
リチウムイオン電池の破砕等に伴う火災を検知するシステムに、24時間体制で監視できるリアルタイムモニタリング機能を追加。「火」自体を画像認識、分析することでスピーディーに火事を検知できるシステムを構築しました。
実証実験では、10cm以上の火を素早く検知し、警備会社や消防(119)、文化財管理者へ通報。文化財管理者には写真付きの発災メールと消火メールを送付し、火災状況の即時確認を行うことができました。
大洗町の消防本部では、夜間に無人の建物で出火した際にすぐ検知できず、被害が拡大している課題がありました。アースアイズの画像解析AIを導入するにいたった理由は、24時間体制で広域を監視できる体制が必要だと判断したためです。
アースアイズはこれらの課題を解決するために、800m先まで監視できる火災検知システム「火の見櫓AI®」を開発しました。AIカメラが24時間体制で広域を監視し、煙や15cmの火柱を検知して消防本部指令室のパトランプが点滅する仕組みを構築。
モニター画面で確認で火災の発生場所を特定し、スムーズに出動できるようになりました。
クラウドAIサービスを利用する方法が考えられます。例えばAmazon Web Services(AWS)の「Amazon Rekognition Custom Labels」やGoogle Cloudの「Vertex AI Vision」などが挙げられますが、これらは「AutoML」と呼ばれており、高度な技術・知識なしで機械学習モデルの構築が可能 となります。
このサービスを利用する場合には、火災や煙の画像をアップロードし、ラベル付け(アノテーション)を行います。このことによりAIが自動的に特徴を学習し、高精度なモデルの作成が可能となります。サーバーの構築は不要ですが、常時インターネットへの接続が必要です。
NVIDIAの「Jetson」シリーズなどのエッジAIコンピュータを利用する方法です。このエッジAIコンピュータに学習済みの検知モデルを実装します。この方法では、画像をクラウドに送らずにカメラのそばで画像処理を行うことになるため、通信によるタイムラグをほぼなくし、リアルタイムでの検知が可能となります。例えばインターネット環境がない・不安定な環境やセキュリティが厳しいため映像を外に出せない工場などでも使用できるシステムの構築が可能となります。
プログラミング言語であるPythonに、Googleが開発したオープンソースの機械学習ライブラリ「TensorFlow」や「PyTorch」、画像処理ライブラリ「OpenCV」を組み合わせて独自に開発する方法も考えられます。この方法の場合にはOpenCVで映像フレームの取り込みを行い、独自に設計・学習させたCNN(畳み込みニューラルネットワーク)モデルで判定を行う、という流れになります。既存の防犯カメラシステムに組み込むなど、柔軟なシステムの構築が可能な方法です。
ここでは、クラウドやオンプレミスなどのタイプ、料金、主な対応業界などの詳細情報を公式HPに掲載している画像解析AI開発ツール・プラットフォームをピックアップして比較します。
| Bind Vision (キヤノンITソリューションズ)
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP (https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand) |
OPTiM AI Camera Enterprise (OPTiM)
引用元:OPTiM AI Cameraシリーズ公式HP (https://www.optim.co.jp/optim-ai-camera/) |
オールインワン AI画像解析パッケージ (大塚商会)
引用元:大塚商会公式HP (https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/ai-iot/ai-camera-analysis/) |
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| タイプ | クラウド | オンプレミス/クラウド (選択可) | オンプレミス |
| 基本料金 |
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| 導入までの期間 | 即時 (契約後すぐに使用可能) | 最短約6週間 | ― (公式HPに記載なし) |
| トライアル | 有り (1か月無償で使用可能) | ― (公式HPに記載なし) | ― (公式HPに記載なし) |
| API | Web APIでプログラムを 問わず、連携可能 ※2 | APIで既存アプリ、 システムとの連携が可能 | ― (公式HPに記載なし) |
| 主な対応業界 | 製造業/防災事業者/自治体 | 小売業/交通機関/医療業界 | 建設業/小売業/製造業 |
火災は火が大きくなるほど消火が難しくなり、被害が大きくなるため、迅速に初動対応を行うことが大切です。画像解析AI搭載型の火災検知システムを開発すれば、夜間や人がいない時間帯でも煙や火を検知し、迅速に対応することが可能です。
住民を火災から守る消防団・地域自治体や、火気・燃えやすい物を扱う施設を運営している方々は、AI搭載型の火災検知システム開発を検討してみてはいかがでしょうか。
また、当メディアではシステム開発の業界・目的別におすすめの画像解析AIを紹介しています。製造業、医業、金融業など、開発システムを活用する業界・目的によって、選ぶべき画像解析AIは変わってくるもの。自社の開発システムに合った画像解析AIを導入したいと考えているSIer・AI事業者の皆様は参考にしてみてください。
各製品・サービスをじっくり比較・検討したい方のために、画像解析AIを利用できる開発ツール・ソリューションを一覧掲載しているページもご用意しています。機能や料金の違いを知りたい方は、こちらも併せてご確認ください。
様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。
Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Aivia
(ライカマイクロシステムズ)
Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)