SCORER(フューチャースタンダード)

目次

フューチャースタンダードは、30種類以上のAIアルゴリズムを利用して、映像/画像解析AIシステムを開発できるプラットフォーム「SCORER」を提供しています。

ここでは、SCORERの特徴や活用シーン、活用事例などを分かりやすく解説します。画像解析AIシステム開発を効率化したいと考えているSIer・AI事業者の皆様は参考にしてみてください。

フューチャースタンダードは
どんな画像解析AIを
提供している?

SCORER公式サイト
引用元:SCORER公式サイト(https://www.scorer.jp/about)

95%以上の案件で
技術検証プロセスを省略

SCORERは、これまでに対応した案件のうち、95%以上の案件で技術検証プロセスを省略した実績※があるプラットフォームです(2025年3月時点/公式HPの情報)。さまざまな事例を学習した30種類以上※のAIアルゴリズムを実装しています。

利用ユーザーは動画や画像をアップロードして、既存の学習済みAIモデルを組み合わせるだけで簡単な検証を行うことが可能。クラウド上で画像を解析する「SCORER Cloud」と、Edge端末上で画像を解析する「SCORER Edge」があり、用途に合った映像/画像解析方法を選択することができます。

用途の異なるAIプロダクトを
パッケージ化して提供

開発元のフューチャースタンダードは、SCORERをベースとした用途別のAIプロダクトを11種類展開※し、それぞれパッケージ化して提供しています(2025年3月時点/公式HPの情報)。

大規模言語モデル(LLM)を実装し、画像から人間の感覚に近い回答をAI生成する「SCORER Area Counter with VQA」や、1台のエッジ端末に最大20台のカメラを接続できる汎用性の高い「SCORER Area Counter」など豊富なラインナップから、用途や導入目的に合わせてパッケージプランを選択することが可能です

組み合わせ次第で幅広い
ユースケースに対応可能

SCORERの魅力は、30種類以上のAIアルゴリズムの組み合わせにより、幅広いユースケースに対応できる点です(2025年3月時点/公式HPの情報)。

例えば小売店舗では、滞在人数判定や待ち行列計測、在庫数量判定などの解析技術を活用することが可能。建設・測量現場では、ヘルメット着装判定や転倒検知などの解析技術が役立ちます。

群衆人数カウントや年齢・性別推定、密集検知などの解析技術は、マーケティングのエリア分析やスマートシティ促進に活用できるでしょう。

【まとめ】SCORERは
どんな企業におすすめ?

技術検証のリソースが足りないSIer・AI事業者におすすめ

SCORERの魅力は、高度な技術検証を省略して短期間で開発を進められる点です。このため、技術検証を行う人員や予算が不足しているSIer・AI事業者の方々におすすめです。

新製品の開発などで市場投入を急ぎたい場合にも適しています。

また、当メディアではシステム開発の業界・目的別におすすめの画像解析AIを紹介しています。製造業、医業、金融業など、開発システムを活用する業界・目的によって、選ぶべき画像解析AIは変わってくるもの。自社の開発システムに合った画像解析AIを導入したいと考えているSIer・AI事業者の皆様は参考にしてみてください。

各製品・サービスをじっくり比較・検討したい方のために、画像解析AIを利用できる開発ツール・ソリューションを一覧掲載しているページもご用意しています。機能や料金の違いを知りたい方は、こちらも併せてご確認ください。

SCORERの料金・価格表

料金情報が公開されていたパッケージプランのみ掲載しています。

SCORER Patrol Cam

1年保証つきの屋外対応ボックス入りAI解析セット(売切)です。初期費用には2年分のサービス利用料が含まれており、3年目以降に別途年額が発生する仕組み。生成AI解析の上限は1日あたり1,440回となっています。

初期費用 990,000円(税込)
3年目以降年額 110,000円(税込)

SCORER Area Counter with VQA

大規模言語モデル(LLM)を実装しているパッケージプラン。下記は解析端末1台あたりの金額です。月額費用にはライセンス費用と解析端末レンタル費用が含まれます。カメラや通信回線(LTEルータ等)の費用は別途見積もりが必要です。

初期費用 440,000円(税込)
月額費用 165,000円(税込)

SCORER Traffic Counter Edge

エッジAIカメラを活用する交通量調査・人数カウント用のパッケージプラン。購入ではなくレンタルでの利用になります。

初期費用 330,000円(税不明)
月額費用 88,000円(税不明)

SCORER Traffic Counter Cloud

交通量・通行量の調査を目的としたクラウド型のパッケージプラン。AIが解析を行なった時間の分だけ料金が発生する仕組みです。

初期費用 0円
調査料 AI解析1時間あたり1,650円(税込)

交通量調査AIカメラ
お任せパック

カメラの設置から交通量のAI解析、レポートティングまで丸ごとお任せできるプラン。関東エリアのみ対応しており、延べ2日間の計測を行います。

カメラ1台あたり 550,000円(税込)

SCORER Area Counter

1台のエッジ端末に最大20台のカメラを接続できるパッケージプラン。下記は解析端末1台あたりの金額です。月額費用にはライセンス費用と解析端末レンタル費用が含まれます。カメラや通信回線(LTEルータ等)の費用は別途見積もりが必要です。

初期費用 330,000円(税込)
月額費用 110,000円(税込)

AI検温パスポート

サーモカメラで検温を行い、結果を自動出力するパッケージプランです。検温・結果出力のみ行う通常モデルのほか、データをクラウド上に自動保存でき、発熱者がいた場合はメール通知が届くクラウドモデルがあります。

標準モデル 本体価格:385,000円(税込)
クラウドモデル 本体価格:385,000円(税込)
クラウド使用料:月額110,000円(税込)

SCORERの主な活用事例

中国計器工業
(電気計測器製造業)

AIシステム導入で
河川の生態学的発見を促進

電気計測器を製造している中国計器工業は、河川の生態を調査するシステムの開発を進めていました。しかし従来のシステムでは落ち葉やゴミ、光の反射などの影響で正しい計測ができず、SCORERのAIカメラを利用することに。

計測対象をAIカメラに学習させた結果、正確に任意の魚を自動カウントすることに成功。河川に漂流した異物を検知するとアラート通知が届く機能も搭載しました。

製品化された「魚族計測システム」は、防災対策や環境保全を目的として河川調査を行う自治体や、河川の生態系を研究する機関などで活用されています。

TOKAIコミュニケーションズのLED監視自動化サービス事例

LED点滅監視を自動化し巡視負担を削減

データセンターではサーバー前面のLED状態を担当者が巡回して確認していましたが、頻繁なチェックと見落とし防止が課題でした。TOKAIコミュニケーションズはSCORERを活用し、LED点滅をカメラの輝度変化として判定する「LED監視自動化サービス」を開発しました。

カメラを光学センサーとして用い、点灯パターンを画像解析で検知する仕組みにより、目視業務を削減。サービスは2021年8月に提供開始され、フューチャースタンダードとの共同開発で露出補正による輝度ばらつきも解消しました。

USBカメラとRaspberry Piを組み合わせた低コスト構成が特徴で、既存環境への導入ハードルを下げています。

参照元:SCORER公式サイト(https://www.scorer.jp/cases/tokai-led-interview2)

ソフトバンクの5G×SCORER 動線分析事例

複数カメラ統合とAIで人流をリアルタイム分析

ソフトバンクは可搬型基地局「おでかけ5G」とSCORERを連携し、5G×IoT Studioで複数カメラ映像を統合したリアルタイム動線分析を実証しました。映像から人物の姿勢・位置・年齢・性別を推論し、人の流れを可視化しています。

取り組みは計3回実施され、その一環として三菱地所の防災訓練では避難者数や属性を一覧表示して現場判断を支援しました。小売店向けのPoCでは、購買導線に基づく売場レイアウト改善や広告表示の自動切替を検証しました。

参照元:SCORER公式サイト(https://www.scorer.jp/cases/softbank_5g)

埼玉県川口市 児童センターのAI検温パスポート事例

非接触検温で入退館管理を省力化

埼玉県川口市は7か所の児童センターに「AI検温パスポート」を導入し、1日約100名の入退館管理を自動化しました。利用者は端末前に立って検温と顔撮影を行い、印刷された結果を受付に提出します。

これにより職員の検温作業が減少し、写真付きログで滞在時間や追跡も可能になりました。導入は2020年12月に開始され、感染症対策と業務負担軽減を両立した事例として紹介されています。

参照元:SCORER公式サイト(https://www.scorer.jp/cases/地域の子育てに安心-安全を川口市が児童センターにai検温パスポートを導入)

SCORERの提供会社情報

  • 会社名:株式会社フューチャースタンダード
  • 本社所在地:東京都台東区台東4-8-7 仲御徒町フロントビル2F
  • 電話番号:03-6801-5531
  • 公式HP:https://www.scorer.jp/
業界・目的別
画像解析AIのおすすめ3選

様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。

大規模な検査・検知システムを
確立したい

製造業

Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)

Bind Visionのキャプチャ
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand
  • 拡張性の高いプラットフォームで、用途・ライン別の分割運用、全体の統合管理が可能。カメラの増設にも柔軟に対応
  • 製造ラインの状況を一画面で俯瞰し、アラート通知で異常を即時検知。Web APIでスムーズなシステム連携を実現
専門的な画像を高い精度で
解析したい

医療業界

Aivia
(ライカマイクロシステムズ)

Aiviaのキャプチャ
引用元:ライカマイクロシステムズ公式HP
https://www.leica-microsystems.com/jp/製品紹介/画像解析システム/p/aivia/
  • 生体組織に求められる2D~5Dの可視化と解析を実現。神経細胞や臓器構造の観察にも対応できる
  • 45種類以上の顕微鏡画像ファイルフォーマットに対応。様々な用途の研究用データなども無駄なく活用
セキュリティやリスク管理を
重視したい

金融業界

Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)

Azure AI Visionのキャプチャ
引用元:日本マイクロソフト公式HP
https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/ai-vision
  • Microsoftの高度なセキュリティ基準に基づいて設計。クラウド経由の取引にも対応が可能
  • 金融・保険の書類処理や自動データ抽出するOCR、オンライン本人確認機能を搭載。口座開設や本人確認業務を効率化
※情報は2025年3月5日調査時点