作業時間計測AIの開発事例を紹介

製造現場で業務効率化の実現を目指すときには、現在どのくらいの作業時間が発生しているかを正しく知ることが必要です。紙での記録しかない、正確なデータがない、工程によってデータがないものがあるなどという現場も少なくありませんが、AIで作業時間を自動で計測できれば作業員に負担をかけることなく作業時間がデータ化可能です。ここでは、AIを用いた作業時間計測事例を紹介します。

カワサキモータース株式会社

引用元:株式会社フツパー(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000058475.html)

導入前の課題:人手に依存していた組み立て作業は各個人の作業時間を手動で計測していた

生産工程を最適化するため各個人の作業時間を計測していましたが、手動で行うため手間がかかっていました。

導入後の成果:手動での計測なしで作業時間割合を集計可能になって最適な人員配置に繋がった

組み立てラインに設置したカメラで「バイクと人」、「人とツール」といった物と物の関係性や行動を分析することにより、作業時間の計測を手動で行うことなく集計可能となりました。集計結果を踏まえて適切な人員配置が可能となっただけでなく、遅延が発生したときにはアラートを出してサポートするなど生産成功率のための取り組みが実現できています。

NECグループの生産工場

引用元:NEC(https://jpn.nec.com/iot/platform/human-work-log/index.html)

導入前の課題:作業の様子をカメラで撮影しても時間がなくて活用できていなかった

生産性向上のために作業にかかる時間を正確に把握すべく動画を撮影していたが、見返す時間がなくてそのままになっていました。また、いざ時間を計測しようとしてもストップウォッチを使って手作業で時間を計測するという手間、時間がかかっていました。

導入後の成果:動画から自動で作業時間が計測できるようになった

動画から作業実績が自動で集計できるようになり、ストップウォッチで計測する必要がなくなったため作業効率化が実現できました。また、動画から無駄を効率的に発見することで生産効率48%の改善が見込まれています。

鹿島建設株式会社

引用元:鹿島建設株式会社(https://www.kajima.co.jp/news/press/202402/29c1-j.htm)

導入前の課題:人手不足と技術者の高齢化による生産性向上が課題

慢性的な人手不足と技術者の高齢化が課題となっている建設業界では、1つひとつの作業にどのくらいの時間がかかっているかを正確に把握して生産性を向上させる必要がありました。作業ごとに作業員が作業時間を記録していましたが膨大な時間と手間がかかり、作業員の負担になっていました。

導入後の成果:カメラ映像をAI解析することで簡単・正確に作業時間を計測

現場に常設したカメラ映像をAIで解析し、分単位で作業に関わる技術者の人数と作業時間を計測できるようになりました。作業時間を指定して工事進捗と連携させ、正確な歩掛を自動算出できます。1台のカメラではカバーできない場合でも複数のカメラで連携して計測可能で、市販のカメラをそのまま使うことができます。多くの現場で正確な歩掛が把握でき、生産性向上につなげることができます。

作業時間計測AIを開発する方法

作業分析に特化したパッケージソフトを活用

作業時間の計測を行う場合には、作業分析に特化したパッケージソフトを活用する方法があります。例えば、作業風景を撮影した動画を取り込むことによって、AIにより「動きのある部分」と「止まっている部分」について判断し、作業の区切りごとに時間を計測することが可能となります。パッケージソフトを使用することからゼロから開発を行う必要がないという点が大きなメリットであるといえます。

骨格検知(姿勢推定)ライブラリにより動作解析を行う

Googleによって提供されている「MediaPipe」などのライブラリを活用するという方法も考えられます。こちらの方法は、作業員の手や体の動きを追跡して作業を行っている時間を計測するAIを開発します。例として、映像上に「部品箱のエリア」「組み立てエリア」といったものを設定しておき、「手(骨格)」が部品箱エリアに入ったら計測を開始し、組み立てエリアから離れたら計測を終了する、といったようにルールを厳密に設定することが可能。細かい手の動きまで数値化が可能ですが、複雑なロジックをプログラミングする必要があることから、AI開発を得意としている開発会社への依頼が推奨される方法といえます。

クラウド型AIを活用

クラウド型AIを活用し、「工具を持っている状態」「工具を持っていない状態」を学習させることによって時間を計測する方法もあります。具体的な例としては、画像内にインパクトドライバーが写っている状態を「ネジ締めの作業時間」としてカウントする、といったことが可能になります。この方法は、特定の工程に要している時間を抽出したいと考える場合に適しているといえます。AIモデルの作成はクラウド上で行うことが可能ですが、例えば管理システムと連携し自動集計するなどの仕組みも必要な場合には、外部への委託が必要になることもあると考えられます。

画像解析AI開発ツール・プラットフォームの料金・機能比較

ここでは、クラウドやオンプレミスなどのタイプ、料金、主な対応業界などの詳細情報を公式HPに掲載している画像解析AI開発ツール・プラットフォームをピックアップして比較します。

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Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Bind Vision公式サイト
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
(https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand)
OPTiM AI Camera
Enterprise

(OPTiM)OPTiM AI Cameraシリーズ公式サイト
引用元:OPTiM AI Cameraシリーズ公式HP
(https://www.optim.co.jp/optim-ai-camera/)
オールインワン
AI画像解析パッケージ

(大塚商会)大塚商会公式サイト
引用元:大塚商会公式HP
(https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/ai-iot/ai-camera-analysis/)
タイプクラウドオンプレミス/クラウド
(選択可)
オンプレミス
基本料金
  • 初期費用:なし
  • 基本プラン:3万円/月
  • 初期費用:66万円※1
  • 導入費:440万円
導入までの期間即時
(契約後すぐに使用可能)
最短約6週間
(公式HPに記載なし)
トライアル有り
(1か月無償で使用可能)

(公式HPに記載なし)

(公式HPに記載なし)
APIWeb APIでプログラムを
問わず、連携可能
 ※2
APIで既存アプリ、
システムとの連携が可能

(公式HPに記載なし)
主な対応業界製造業/防災事業者/自治体小売業/交通機関/医療業界建設業/小売業/製造業
【選定条件】
「画像解析AI開発ツール」とGoogle検索して上位表示されるAI開発ツール30社のうち、クラウドorオンプレミスでのプラットフォームを提供している製品をピックアップし、
公式HPに導入費用などの価格掲載があるソフトの情報を掲載しています。
※1.OPTim Edge Entryの場合、カメラ5台まで処理可能。
※2.煙検出AIの場合、1セット=45,000回/月の実行回数。
(2025年3月5日調査時点)

【まとめ】AIで作業時間を自動計測できれば業務効率化につながる

業務を効率化するためにはどの作業にどのくらいの時間がかかっているかを把握する必要がありますが、その計測に手間や時間がかかってしまいます。AIの画像認識を活用すれば自動で簡単に作業時間計測が可能になるため、様々な現場で導入されています。既存のカメラを使った画像解析ができるものもありますので、自社に合うものを検討・選択してください。

業界・目的別
画像解析AIのおすすめ3選

様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。

大規模な検査・検知システムを
確立したい

Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)

Bind Visionのキャプチャ
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand
  • 拡張性の高いプラットフォームで、用途・ライン別の分割運用、全体の統合管理が可能。カメラの増設にも柔軟に対応
  • 製造ラインの状況を一画面で俯瞰し、アラート通知で異常を即時検知。Web APIでスムーズなシステム連携を実現
専門的な画像を高い精度で
解析したい

Aivia
(ライカマイクロシステムズ)

Aiviaのキャプチャ
引用元:ライカマイクロシステムズ公式HP
https://www.leica-microsystems.com/jp/製品紹介/画像解析システム/p/aivia/
  • 生体組織に求められる2D~5Dの可視化と解析を実現。神経細胞や臓器構造の観察にも対応できる
  • 45種類以上の顕微鏡画像ファイルフォーマットに対応。様々な用途の研究用データなども無駄なく活用
セキュリティやリスク管理を
重視したい

Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)

Azure AI Visionのキャプチャ
引用元:日本マイクロソフト公式HP
https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/ai-vision
  • Microsoftの高度なセキュリティ基準に基づいて設計。クラウド経由の取引にも対応が可能
  • 金融・保険の書類処理や自動データ抽出するOCR、オンライン本人確認機能を搭載。口座開設や本人確認業務を効率化
※情報は2025年3月5日調査時点