製造現場で業務効率化の実現を目指すときには、現在どのくらいの作業時間が発生しているかを正しく知ることが必要です。紙での記録しかない、正確なデータがない、工程によってデータがないものがあるなどという現場も少なくありませんが、AIで作業時間を自動で計測できれば作業員に負担をかけることなく作業時間がデータ化可能です。ここでは、AIを用いた作業時間計測事例を紹介します。
生産工程を最適化するため各個人の作業時間を計測していましたが、手動で行うため手間がかかっていました。
組み立てラインに設置したカメラで「バイクと人」、「人とツール」といった物と物の関係性や行動を分析することにより、作業時間の計測を手動で行うことなく集計可能となりました。集計結果を踏まえて適切な人員配置が可能となっただけでなく、遅延が発生したときにはアラートを出してサポートするなど生産成功率のための取り組みが実現できています。
生産性向上のために作業にかかる時間を正確に把握すべく動画を撮影していたが、見返す時間がなくてそのままになっていました。また、いざ時間を計測しようとしてもストップウォッチを使って手作業で時間を計測するという手間、時間がかかっていました。
動画から作業実績が自動で集計できるようになり、ストップウォッチで計測する必要がなくなったため作業効率化が実現できました。また、動画から無駄を効率的に発見することで生産効率48%の改善が見込まれています。
慢性的な人手不足と技術者の高齢化が課題となっている建設業界では、1つひとつの作業にどのくらいの時間がかかっているかを正確に把握して生産性を向上させる必要がありました。作業ごとに作業員が作業時間を記録していましたが膨大な時間と手間がかかり、作業員の負担になっていました。
現場に常設したカメラ映像をAIで解析し、分単位で作業に関わる技術者の人数と作業時間を計測できるようになりました。作業時間を指定して工事進捗と連携させ、正確な歩掛を自動算出できます。1台のカメラではカバーできない場合でも複数のカメラで連携して計測可能で、市販のカメラをそのまま使うことができます。多くの現場で正確な歩掛が把握でき、生産性向上につなげることができます。
業務を効率化するためにはどの作業にどのくらいの時間がかかっているかを把握する必要がありますが、その計測に手間や時間がかかってしまいます。AIの画像認識を活用すれば自動で簡単に作業時間計測が可能になるため、様々な現場で導入されています。既存のカメラを使った画像解析ができるものもありますので、自社に合うものを検討・選択してください。
様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。
Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Aivia
(ライカマイクロシステムズ)
Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)