こちらの記事では、カメラ検品作業自動化AIの開発事例について紹介しています。それぞれの企業において、どのような課題を抱えていたのか、そして導入によってどのような成果を挙げられたのかといった点についてまとめていますので、AI開発の依頼やツールの導入を検討されている場合には、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
ある飲料工場での事例です。こちらの工場では、出荷を行う前にペットボトルの外観検査を行っており、これまでは熟練の作業員による目視での検査を行っていました。目視での不良品の選別は、長時間作業を行っているうちに注意力の低下が起こり、小さな傷やラベルの印字ミスなどを見逃してしまい、検出もれが発生することが課題とされていました。
上記のような背景から、AIを活用した検品システムを導入しています。こちらの検品システムには、高精度のカメラと画像認識AIが搭載されている点が特徴。ペットボトルの外観を瞬時にスキャンし、傷や汚れ、ラベルの傷を検出することが可能です。こちらのAIは数万枚のデータをもとにして学習を行っているため、人間の目ではどうしても見落としが発生しがちな細かい不良でも高精度で判別できる点が特徴といえます。
システムの導入後に得られた効果としては、検品精度の向上があります。このことにより出荷時の不良品率がほぼゼロになった、という成果が得られています。さらに従業員が検品作業から解放されて、より生産性の高い業務に専念できるようになりました。また、AIシステムは高速での処理が可能。生産ラインにおけるスピードを維持しながら検品作業のAI化ができています。
参照元:株式会社Pro-D-use(https://pro-d-use.jp/blog/manufacturing-industry-ai-success-story/)
自動車部品の製造を主力として取り組んでいた山田精密工業では、熟練工の高齢化に加えて若手人材の確保が難しい、という深刻な人手不足に直面していました。
深刻な人手不足に対応するために、山田精密工業は生産ラインにおいて画像認識AIを導入しています。これまでは、熟練工の目視で製品の品質検査を行ってきましたが、この部分をAIカメラシステムに置き換えを行っています。ここで導入したAIシステムは、名古屋大学初のスタートアップ「VisualTech」と共同開発を行ったもの。人間が検査を行う際には細かい欠陥の検出が可能となったことから、不良品率を5%から0.5%に抑えることが可能となりました。
その他にも、こちらの企業ではAIを導入。例えば予測型AIの活用により、材料発注のタイミングや生産ラインの稼働スケジュールを自動提案するシステムなどの構築を行なっています。
いずれのAIも、導入にあたっては現場の抵抗があったものの、一度実際にAIを使用していることによって、「AIは面倒な作業を代わりに行ってくれるパートナーである、という理解が広がりました。
参照元:RHINOTECH(https://pro-d-use.jp/blog/manufacturing-industry-ai-success-story/)
株式会社鶴弥では、これまで製造した粘土瓦製品の外観検査(選別)は作業者の目視確認によって行われていました。この方法の場合、良否判定基準の微妙なばらつきや、ヒューマンエラーによって発生する不適合品の流出リスクなどの課題を抱えていました。この課題に対し、作業者への繰り返し教育や、長時間作業に伴う検出精度低下を防ぐ仕組みづくりなどに取り組んできたものの、効果の維持が新たな課題として挙げられています。
上記の問題を解決するため、粘土瓦製品の外観をカメラで撮影し、その画像データを新たに開発した検査用AIプログラムで解析することによって、自動で外観検査を行えるようにしています。
このシステムの導入によって、品質のばらつきの低減や見逃しによる不適合品の流出リスクを防止でき、製品品質の安定化が期待できます。また、不適合品を分析することによって発生原因や発生箇所の特定、対策の実施に役立てられ、製品品質の向上につながると考えられるなど、さまざまな効果が期待されています。
参照元:株式会社鶴弥(https://www.try110.com/news/etc/news-4841.html)
AI機能がコントローラに内蔵されている検査機器を導入する、という方法が考えられます(例えばオムロンの画像処理システム FHシリーズなど)。この場合、例えば傷や欠陥に関する特徴についてあらかじめ学習した機能が搭載されていることから、ユーザーは良品の画像を登録してパラメータの調整を行うことで、欠陥の感知を行えるようになります。ただし、システムを利用して安定した検品作業を行うためには、照明やカメラ生産ラインへの組み込みに関する知識が必要になることから、専門の企業に委託することが推奨されます。
MENOUの「MENOU-TE(メノート)」など、検査AI開発に特化したツールを利用する方法もあります。こちらのツールの場合、撮影した製品の画像をPCに取り込んだ上で、画面上で傷や汚れの部分を指定することによってAIモデルの生成を実施。プログラミング言語を使用せず、作業員がAIの作成や修正を行える点がポイントとなっています。
Google Cloudの「Visual Inspection AI」などのクラウドサービスを活用する方法も考えられます。こちらのサービスの場合、製造業における検品作業に特化した独自の技術を用いており、「良品」と「不良品」の画像を数十枚程度用紙することで高い精度のモデル作成を行えます。小さな欠陥についても検出する能力が高い点がメリットであるとともに、モデルの作成についてはブラウザで行うことが可能。ただし不良品を検出した後に排出する機構などが必要な場合には、外部の専門業者に委託することが推奨されます。
ここでは、クラウドやオンプレミスなどのタイプ、料金、主な対応業界などの詳細情報を公式HPに掲載している画像解析AI開発ツール・プラットフォームをピックアップして比較します。
| Bind Vision (キヤノンITソリューションズ)
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP (https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand) |
OPTiM AI Camera Enterprise (OPTiM)
引用元:OPTiM AI Cameraシリーズ公式HP (https://www.optim.co.jp/optim-ai-camera/) |
オールインワン AI画像解析パッケージ (大塚商会)
引用元:大塚商会公式HP (https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/ai-iot/ai-camera-analysis/) |
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| タイプ | クラウド | オンプレミス/クラウド (選択可) | オンプレミス |
| 基本料金 |
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| 導入までの期間 | 即時 (契約後すぐに使用可能) | 最短約6週間 | ― (公式HPに記載なし) |
| トライアル | 有り (1か月無償で使用可能) | ― (公式HPに記載なし) | ― (公式HPに記載なし) |
| API | Web APIでプログラムを 問わず、連携可能 ※2 | APIで既存アプリ、 システムとの連携が可能 | ― (公式HPに記載なし) |
| 主な対応業界 | 製造業/防災事業者/自治体 | 小売業/交通機関/医療業界 | 建設業/小売業/製造業 |
カメラ検品作業自動化AIの導入により、検品作業における課題の解決が可能となります。どうしても人が検品作業を行う場合には、長時間作業になるほど疲労などから見落としが多くなる、判断基準が人によって差が出るなどの課題がありますが、AIを導入することでいつでも安定した基準での検品が可能となります。品質の向上が期待できるほか、それまで検品に費やしていたリソースを他の作業に割り当てられるため、人手不足を解消するとともに、業務の効率化も期待ができます。
様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。
Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Aivia
(ライカマイクロシステムズ)
Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)