画像AIの開発事例を紹介

このページでは、画像解析AIの導入を検討している方に向けて、製造、インフラ、医療、防災などの具体的な開発事例をご紹介。
現場で得られた効果や導入時の課題・工夫など、導入判断や検討に役立つ実践的な情報をまとめています。

AI火災検知開発事例を紹介

火災対策にAIを活用する動きが広がっています。東京都江戸川区では、延焼リスクが高い木造密集地域への対策として、高所カメラとAIを連携した煙検出システムを開発。24時間体制で煙を自動検知&即時通知する仕組みで初動対応の迅速化を実現しました。

東京都川越市では、重要文化財の保護を目的に「Spark Eye」を導入。わずかな炎を素早く検知し、警備会社や消防へ即通報する体制を整え、文化財の保護に努めています。

また茨城県大洗町では、夜間の無人建物での出火対応として、最大800m先まで監視可能な「火の見櫓AI®」を導入。わずかな煙も検知し、即時に警報を出す仕組みで、迅速な出動を可能にしました。

煙検知AI開発事例を紹介

火災の早期発見と被害の最小化を目的に、AIを活用した煙検知システムの導入が進められています。東京都江戸川区では、煙検知AIと地図と連携した専用アプライアンスを導入することで、出火場所の即時特定とスムーズな初動対応を実現しました。

大阪府の廃棄物処理業者では、AI搭載の「SmokeScanner」を導入。夜間を含め24時間自動で火災の兆候を監視し、早期発見につなげています。

機器内部の発煙や火花は、従来のセンサーでは検知しづらい火災の兆候です。しかしSmokeScannerを提供するコニカミノルタは、自社の画像認識AI技術を用いてこれらの兆候に対応し、火災リスクの大幅な低減に貢献しました。

水位検知AI開発事例を紹介

水位検知AIは、防災現場における業務効率化と初動対応の強化に貢献しています。IT業界のアーベルソフトでは、自社開発の防災DXサービス改良のため災害時の画像解析にAIを導入。冠水判定の精度向上と工数削減を実現しました。

鳥取県では、ため池の決壊リスクに対応するため、水位センサーと監視カメラによる遠隔監視体制を構築。現地確認の負担を軽減し、異常時の迅速な判断と地域連携を可能にしました。

静岡県の自治体では、従来の映像監視に代わりAI解析による水位の自動検知と即時発報を実現。悪天候時の視認性も確保し、職員の安全も確保しています。

洪水予測AI開発事例を紹介

洪水予測AIを導入することで、災害時の判断速度アップや被害の最小化などを実現することができます。
洪水や土砂災害のリスクが高い愛知県豊橋市では、AIが気象データやSNS投稿を解析する「Spectee Pro」を導入。災害時に現地の映像を即座に把握し、迅速に避難判断ができる体制を整えています。

NTTPCコミュニケーションズは、全国の中小河川を対象に、カメラ映像をAIで解析する水位監視システムを開発。バーチャル水位計により正確な水位把握を実現し、自治体への自動通知で即応体制の強化を図りました。

ID&Eホールディングスは、深層学習を活用した水位予測モデルを開発。従来型モデルより予測誤差の少ない、高精度な水位予測を実現しています。

異常検知AI開発事例を紹介

製造や危機管理の現場でも、AIの活用が着実に進んでいます。電気機器業のデンソー高棚製作所では、動画映像から異常を検出するAI検査システム「Impulse」を導入。約1年かけて視野調整などを行い、現在は量産ラインで安定稼働を実現しています。

トヨタ自動車衣浦工場では、自動車部品の製造・検査ラインにAI外観検査を導入。異常品の発生頻度が低く、AI学習に必要な異常品画像を収集するのは困難でしたが、調和技研と共同で良品のみを学習するAIモデルを開発しました。

災害情報の分散管理が課題だった消費財メーカーで「Spectee Pro」を導入。災害リスクを地図上で一元管理し、Teamsと連携した即時共有により初動の遅れを防ぐ体制を整えました。

安全監視AI開発事例を紹介

製造・介護・フィットネスの現場でも、AIによる安全監視の導入が進んでいます。京セラでは、従来の防犯カメラでは把握できなかった危険行動を、AI映像解析「VAAKEYE」によってリアルタイムで自動検知。
500台のカメラを常時解析することで、人的負担を軽減しながら安全監視を効率化しました。

邦寿会の「どうみょうじ高殿苑」では、AI見守りシステム「Neos+Care」を活用し、転倒などの危険動作をシルエット映像で検知。訪室回数が1日あたり900件から約90件に減り、職員の負担軽減と介護の質向上を実現しています。

ガルフスポーツクラブでは、高齢会員の安全確保と人手不足の解消を目的に「GYM DX」を導入。見守り体制を強化するとともに、有事の際のスタッフの心理的負担を減らすことに成功しました。

設備点検AI開発事例を紹介

AIを使って工場やインフラなどの設備を点検する設備点検AI。九州電力は、インフラ設備点検の効率化を目的に、ドローンによる自動巡回飛行を導入。
リアルタイムに複数設備を確認できる体制を作り、従来困難だったエリアの点検も可能となりました。

電気保安業では、IoTカメラとAI画像解析を組み合わせ、メーター読み取り業務を遠隔化。作業工数の削減と、帳票作成の自動化まで進めることができています。

管工事業のA社では、プラント配管の劣化検査にAIを活用。画像解析により熟練者基準での自動判定を実現し、検査品質の平準化とリソース不足の解消を実現しました。

製造ライン異常検知AI
開発事例を紹介

航空機を生産しているSUBARUでは、中央翼の穿孔工程において異常検知ができず、不良の見逃しが課題となっていました。
そこで、センシングデバイス「SENSPIDER」を活用。穿孔中の振動データから異常をリアルタイムに把握できる体制を整えました。

沖電気工業では、防衛装備品の製造工程におけるノズル検査の自動化を目指し、AI画像分類を導入。26回のチューニングを重ね、高精度な検査モデルを実現しました。

大阪ガスでは、センサーデータを活用しきれない課題に対し、異常検知プラットフォーム「Impulse」を導入。PoCで最長1週間前の異常予兆検知に成功し、分析の自動化と作業工数削減を両立しました。

作業員安全監視AI
開発事例を紹介

建設業界では、AIを活用した安全管理と業務効率化の取り組みが増えています。
三井住友建設では、現場作業の属人化と非効率な情報共有が課題でしたが、「GeoMation」の導入により、作業員や車両の位置をリアルタイムで可視化することに成功。危険エリアへの進入を即時検知し、安全性が向上しました。

清水建設は、重機との接触事故対策としてAI安全管理システム「カワセミ」をAIスタートアップ企業のLightblueと共同開発。骨格推定や顔の向きの解析により、作業員が重機を認識しているかを判断し、注意喚起を行う仕組みを構築しました。

大成建設では、放射線管理現場での装備確認をAIで自動化。画像認識やAI技術を活用したソリューション開発を行うIIUと「T-iSafety Protection」を開発し、作業員の装備確認や人的ミスの防止、安全教育の強化につなげています。

赤外線温度AI開発事例を紹介

空間やインフラの管理においても、AIとセンシング技術の導入が進んでいます。三井不動産は、中之島三井ビルの空間活用を可視化するため、「OPTiM AI Camera」を42台導入。リアルタイムで混雑状況を把握し、空間利用の改善につなげました。

東京都江戸川区では、洪水リスクの高いゼロメートル地帯の河川監視強化を目的に、赤外線カメラとAI水位解析を導入。昼夜問わずクリアな映像と高精度な水位測定ができる仕組みで、防災対応力を向上させています。

とある会社の高層EV試験塔では、従来困難だった外壁の劣化調査にドローンと赤外線カメラを活用。「スマートタイルセイバー」で画像をAI解析することで、劣化箇所の識別や調査効率の改善などを実現しています。

AI画像検査の開発事例を紹介

AI画像検査は、現在さまざまな企業にて用いられています。この技術を用いることによって、異常が発生した際の検知や検出を高い精度で行えるようになるほか、業務の効率化につながることも期待できます。さらに、人が目視で確認するよりも高い精度で検査を行えるようになるため、品質の向上にもつながると考えられます。

製造工程自動記録AIの開発事例を紹介

AIを用いて製造工程を自動で記録できるようになると、そのデータを分析に活かすことができ、例えば製造工程において無駄や遅れが発生している部分を把握しやすくなるといったメリットがあります。また、記録や監視に人員を割く必要がなくなるためにコストの削減にもつながり、さらに人材をより生産性の高い業務に割り当てられるようになります。

工場搬送物識別AIの開発事例を紹介

AIを活用した自動識別と搬送システムの連携によって、部品や製品の仕分けを高速・正確に行えるようになります。24時間運転にも対応ができることから、稼働時間の最大化が可能である点は大きなメリットです。また、AIが画像認識やコードの認識によって物品を厳密に識別でき、搬送間違いなどのミスを大幅に削減できます。

在庫棚AI認識の開発事例を紹介

カメラによる自動認識により、在庫棚の状況をリアルタイムで把握可能となります。このことによって、人による手作業や目視確認が不要となるため、スタッフの作業負担を大幅に軽減可能です。また、AIによる自動監視が可能となることから、在庫異常が発生した際にはアラート等での通知が可能。他の業務との並行が可能となり生産性の向上が期待できます。

作業時間計測AIの開発事例を紹介

従業員や作業プロセスごとの作業時間について自動計測が可能となり、どの工程にどれだけの時間を要しているかを可視化できます。このことから、無駄と思われる工程やボトルネックとなっている部分の特定が可能。生産性の向上や業務効率化などにつなげられます。また、無駄な残業や非効率な作業が発生している場合にも、改善案を検討できるようになります。

製品形状分類AIの開発事例を紹介

これまでは人手と時間をかけて行っていた判別・仕分け作業についても、AIによって製品の形状や外観による分類を行えるようになるため、作業効率の大幅な向上につながります。さらに、センサーやカメラを活用することで複数ラインや大量の製品にも対応が可能になり、省人化の推進を行えます。また、見落とし・見逃しなどのミス防止にもつながります。

カメラOCR伝票読み取りAIの開発事例を紹介

カメラOCR伝票読み取りAIにより、手書きや印刷された各種伝票をカメラで撮影するのみでデータ化が行えることから、人の手で行う場合と比較して大幅な工数の削減や業務効率化が期待できます。高精度な文字認識が可能であることから、誤読や読み取り漏れなども削減でき、修正にかける時間も短縮可能。また、人的ミスの減少にもつなげられます。

AIピッキング支援の開発事例を紹介

AIやロボティクスを活用した支援の導入によって、手作業でのピッキングを行う際と比較すると作業スピードが格段に上がるため、効率が大幅に向上します。また、工場などで導入することでピッキングに要する時間が大幅に短縮されることから、より多くの出荷や工程処理が可能になります。さらに人手不足への対策としても非常に有効な方法であると考えられます。

組立工程チェックAIの開発事例を紹介

組立て工程をAIでチェックできるようになると、人の目では見逃しやすい不良などについても高精度での発見が可能になります。また、人による検査品質のばらつきの解消も可能であることから、一定の基準でのチェックが行えるようになります。さらに、AIはスピーディーかつ24時間稼働が可能なので、ラインの高稼働率を実現できます。

製品ラベル検査AIの開発事例を紹介

AIを活用することによって、常に同じ基準でラベルについて判定が可能になります。さらに、印字のカスレや欠け、誤字、ラベルのずれといったように人の目では気づくにくい細かい不良なども高精度での検出ができます。また、検査工程を自動化することができるため、作業者の負担を大幅に軽減。生産性の向上にもつなげられます。

梱包作業判定AIの開発事例

梱包作業について判定を行うAIを導入することによって、不適切な形での封函が行われているものを検出できるようになります。人の目で外観の検査を行う場合と比較すると安定的な検出が可能に。スキルの差や作業のムラなども発生しないため、作業効率の向上も期待できます。また、AIの導入により人材の不足への対応も可能となります。

カメラ検品作業自動化AIの開発事例

カメラ検品作業自動化AIの導入を行うことで、それぞれの企業が抱えている検品作業における課題の解決が可能となります。従来のように人が検品作業を行う場合、疲労などから見落としが多くなる、判断基準が人によってばらつきが出るなどの課題があります。しかしAIを導入することで安定した基準での検品に繋げられます。

業界・目的別
画像解析AIのおすすめ3選

様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。

大規模な検査・検知システムを
確立したい

製造業

Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)

Bind Visionのキャプチャ
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand
  • 拡張性の高いプラットフォームで、用途・ライン別の分割運用、全体の統合管理が可能。カメラの増設にも柔軟に対応
  • 製造ラインの状況を一画面で俯瞰し、アラート通知で異常を即時検知。Web APIでスムーズなシステム連携を実現
専門的な画像を高い精度で
解析したい

医療業界

Aivia
(ライカマイクロシステムズ)

Aiviaのキャプチャ
引用元:ライカマイクロシステムズ公式HP
https://www.leica-microsystems.com/jp/製品紹介/画像解析システム/p/aivia/
  • 生体組織に求められる2D~5Dの可視化と解析を実現。神経細胞や臓器構造の観察にも対応できる
  • 45種類以上の顕微鏡画像ファイルフォーマットに対応。様々な用途の研究用データなども無駄なく活用
セキュリティやリスク管理を
重視したい

金融業界

Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)

Azure AI Visionのキャプチャ
引用元:日本マイクロソフト公式HP
https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/ai-vision
  • Microsoftの高度なセキュリティ基準に基づいて設計。クラウド経由の取引にも対応が可能
  • 金融・保険の書類処理や自動データ抽出するOCR、オンライン本人確認機能を搭載。口座開設や本人確認業務を効率化
※情報は2025年3月5日調査時点