画像や映像のデータをAIが認識・分析し、物体検出や異常検知などを自動で行う画像解析AI。製造業をはじめDX化が進む業界で、その注目度が徐々に高まってきています。どんな画像解析AI開発ツールがあるのか、具体的に見ていきましょう。
ここでは、クラウドやオンプレミスなどのタイプ、料金、主な対応業界などの詳細情報を公式HPに掲載している画像解析AI開発ツール・プラットフォームをピックアップして比較します。
| Bind Vision (キヤノンITソリューションズ)
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP (https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand) |
OPTiM AI Camera Enterprise (OPTiM)
引用元:OPTiM AI Cameraシリーズ公式HP (https://www.optim.co.jp/optim-ai-camera/) |
オールインワン AI画像解析パッケージ (大塚商会)
引用元:大塚商会公式HP (https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/ai-iot/ai-camera-analysis/) |
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|---|---|---|---|
| タイプ | クラウド | オンプレミス/クラウド (選択可) |
オンプレミス |
| 基本料金 |
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| 導入までの期間 | 即時 (契約後すぐに使用可能) |
最短約6週間 | ― (公式HPに記載なし) |
| トライアル | 有り (1か月無償で使用可能) |
― (公式HPに記載なし) |
― (公式HPに記載なし) |
| API | Web APIでプログラムを 問わず、連携可能 ※2 |
APIで既存アプリ、 システムとの連携が可能 |
― (公式HPに記載なし) |
| 主な対応業界 | 製造業/防災事業者/自治体 | 小売業/交通機関/医療業界 | 建設業/小売業/製造業 |
Bind Visionは画像解析AIとしての機能だけでなく、認証/認可・画面レイアウト・データ送受信といったWebシステム構築に不可欠な要素を一括提供。これにより、SIerや社内エンジニアがゼロからWebシステムを設計・実装する負担を大幅に削減できます。
画像解析AIプロジェクトでは、AI開発よりもWebシステム構築に多くの工数・コストが割かれるケースが多く、開発費用の39%を占めているというデータもあります(※)。本プラットフォームを活用することでWebシステム構築にかかるコストを一気に削減でき、開発者は解析モデルや業務ロジックの実装に集中できる環境を整えられます。
公開APIを標準で備えており、既存のオンプレミスシステムやクラウド基盤、外部データ連携システムとスムーズな統合が可能。各社のIT資産や業務要件に合わせた柔軟なシステム構築が実現します。
ダッシュボードはドラッグ&ドロップで構成要素を自由にレイアウト可能な設計。画像表示(単体/サムネイル)、グラフ(棒・折れ線・円)、地図、数値パネル、一覧テーブルなど業務画面に必要なUIコンポーネントを自在に配置できるため、PoCから本番環境まで一貫して対応できます。
江戸川区では洪水対策の一つとして防災用カメラとBind Visionを導入。
水位測定AI機能と連携し、河川の状況を自動で監視できる仕組みを整えました。これにより、集中豪雨や台風による急な水位上昇にスピーディーに対応できる体制を構築しています。
農業現場では人手不足や高齢化、作業の属人化によるノウハウ継承の難しさが深刻な課題でした。愛媛県内の2か所の農家において、ネットワークカメラとウェアラブルカメラで取得した映像データと気象・土壌データをBind Visionで一元管理し、遠隔地からのリアルタイムな農地管理を可能に。これにより、熟練者が現地に赴くことなく作業指示や技術指導ができるようになり、農作業の効率化と技術継承の両立を実現しています。
| 初期費用 | なし |
|---|---|
| 基本プラン | 月額30,000円(5ユーザー含む) |
| ユーザー追加 | 1ユーザーあたり月額2,000円 |
| 画像 | 1画像BOXあたり月額1,500円~ |
| データ | 1データテーブルあたり月額1,000円~ |
| アラート | 1アラートあたり月額200円~ ※1データにつき1アラートまでは無償提供 |
| カスタムマップ | 1マップあたり月額1,000円~ ※1マップにつき、1画像Boxの契約が必要 |
※クラウドAI(煙検出AI)・エッジAI(水位測定AI)については個別見積もり。
画像解析の精度や品質を追求したパッケージプランです。さまざまな業種の課題やニーズをヒアリング、データを元に学習モデルを生成。「人物検知」「混雑度把握」「侵入検知」「マスク着用判定」などの多様な解析を実現します。 「医療機関」「小売」「鉄道・交通機関」など11業種計300種類(※)の学習済モデルが利用可能なため、画像解析AIシステム開発の工数を大幅に削減しながら、高い品質を実現できるでしょう。
クラウド型(SaaSモデル)、オンプレミス型(オンプレミスモデル)、タブレット型(for Retail)の3タイプを提供。カスタマイズ不要でそのまま使えるプランもあり、初期費用を抑えたスモールスタートから本格運用までスムーズに対応できます。
たとえば、まずは省コストな「OPTiM AI Camera」で効果検証を行い、本格展開時に「Enterprise版」にスケールアップすることで、段階的なAI導入戦略をとることも可能です。
独立行政法人日本貿易振興機構は、羽田空港第3ターミナルで行う訪日外国人客向けのテストマーケティングに「OPTiM AI Camera Enterprise」を導入しました。年代・性別・棚前滞在時間だけでなく、店内や棚前での行動詳細データから来店者の『より強い興味・関心』を把握するため、新システムを開発。収集したデータを戦略立案やプロモーションなどに活かしています。
OPTiM AI Camera Enterpriseの料金形態の例として、ここでは「SaaSモデル」の料金をご紹介します。
| 初期費用 | OPTiM Edge Entry:660,000円(カメラ最大5台処理) OPTiM Edge Standard:880,000円(カメラ最大11台処理) |
|---|---|
| 月額費用 | カメラ1台あたり16,500円 |
「オールインワン」の名前通り、AI画像解析に必要な解析機能・ネットワーク設計・導入支援・運用保守までをフルパッケージで提供する、大塚商会ならではのソリューションです。
大きな特徴は、クラウド前提ではなくオンプレミスを基本とした提供形態にあります。ネットワーク分離環境・厳格なセキュリティ要件・AI反応速度などに課題がある現場でも柔軟な構築が可能。医療機関・インフラ設備など、クラウド利用が難しい現場でも安心して導入できます。
標準で「入退カウント」「特定エリアの侵入検知」「異常な滞留検知(ヒートマップ)」「接近アラート」などの機能を搭載しながらも、顧客の要件に応じて必要な機能だけを組み合わせて提供できるモジュール構成を採用しています。
さらに、複数台のカメラを単一のプラットフォーム上で一元管理できるため、施設全体の監視・解析・ログ管理までを省力化。これにより、システム構築後の運用工数や管理負担を抑えた導入が可能になります。
公式HPに記載がありませんでした。
| 導入参考価格 | 4,400,000円(税込) |
|---|---|
| ハードウェア | NWカメラ:4台、AIエッジ端末:2台、解析サーバー:1台など |
| ソフトウェア | AI分析機能:2モデルなど |
30種類以上のAIアルゴリズムを実装した映像/画像解析AIプラットフォームです。AIアルゴリズムの組み合わせにより、幅広いニーズに対応。専門知識や技術がなくても簡単な検証を行うことができます。
Google Cloud プラットフォームで利用できる、画像解析の総合サービスです。画像解析に役立つ多数の機能を搭載。複数の機能を組み合わせて利用することで、より精度の高い画像解析を実現できます。
アノテーション機能やAIの学習・推論機能、外部機器連携機能などを搭載し、外観検査AI開発を効率化してくれるパッケージツールです。カメラなどと連携して、既存の製造ラインに組み込める点が魅力です。
主に製造業の現場で活用されています。システム開発以外にも、技術調査から検証、システム開発、リリース後の保守・改善までトータルにサポート。企業が抱えている課題に合わせて解決策を提案してくれます。
アメリカの半導体企業「NVIDIA」の製品を活用して、AI画像解析ソリューションを提供しています。高精度な顔認証アルゴリズムを採用しているため、マーケティングやセキュリティ目的の顔認証システム構築におすすめです。
ローカル5GやsXGP、Wi-Fi6などのワイヤレス技術を活用し、企業のDXを推進するサービスです。画像解析の分野では、リアルタイムなデータ収集と分析が可能。スムーズかつリアルタイムなデータ収集が行えます。
Microsoftが提供するAzureクラウドプラットフォーム上で利用できるサービスの一つです。10,000種類以上※の対象物(人、動物、建物、自然現象など)を認識できるため、幅広い業界で活用することができます。
多彩な機能を備え、微細な欠陥や印字ミスの検出、部品の位置・形状・寸法計測、自動判別機能による良品・不良品の仕分けなど、幅広い画像解析ニーズに対応。食品工場や自動車や半導体、医薬品、電子機器工場などで利用されています。
細胞生物学や神経科学分野の画像解析に特化した画像解析ソフトウェアです。専用アプリケーションと学習済みAIモデルが多数組み込まれており、論文発表までのスピード向上やコスト削減に貢献しています。
画像や動画を解析できるAIサービスです。WebカメラやIoTセンサーなどと合わせて、エッジコンピューティングカメラを提供。端末自体にAIシステムを搭載しており、データ送受信の工数を削減することができます。
生物学的画像の解析に特化した画像解析ソフトウェアです。ディープラーニングを利用する画像解析機能(SINAPモジュール)を搭載。色数が多い画像や立体的な3D画像などもスピーディーかつ詳細に解析することができます。
高いAI技術と操作性を両立した画像解析AIサービスです。初期費用無料、かつ月5万円(税不明)から画像解析を利用可能。画像をアップロードして、数クリックするだけで解析依頼が完了するので、画像解析AI初心者も安心です。
自動車部品の全数検査や液晶パネルの異物検出、金属加工における傷・打痕の判定などで活用されている画像解析AIです。煙や水位の検知と組み合わせて、自治体や消防向けのAIソリューションとしても展開することができます。
作業の標準化、判断の迅速化、人的ミスの抑制などを実現できる画像解析AIシステムです。汎用性が高い設計で、民間から公共分野まで幅広いニーズに対応可能。現場環境や運用体制の違いにも対応しやすく、導入や定着がスムーズです。
入力からAIモデル・UIまでを分業で構築できる点が特徴。それぞれの専門家による効率的な開発を進めることが可能です。カメラで取得した映像をEdgeサーバーでリアルタイム解析することもできます。
数十枚程度の画像からAIモデルを構築できるサービスです。買取パッケージ型でインターネット環境が不要。購入後は月額料金などを気にせず、セキュリティ性が高い環境で好きなだけソフトを使用することができます。
目や顔の特徴・感情・眼鏡の有無まで識別できる画像解析AIです。潜在的に危険なコンテンツや不適切なコンテンツを検出することが可能。膨大なデータ量を短時間で解析できるため、メディア分野で顧客を持つ企業におすすめです。
株式会社EAGLYSが提供している統合型AIソリューションです。少量のサンプルでも学習可能な独自アルゴリズムを搭載。少数のアノテーションサンプルからでも高精度な解析を行うことが可能です。
柔軟性と拡張性を強みとするツールパッケージです。画像処理、解析、アルゴリズム開発をするためのツールを多数搭載。広範なアルゴリズムやMATLABとの連携により、多様な画像処理に対応できる環境を提供しています。
AIモデル開発に不可欠なデータ加工が行えるサービスです。顔認識や物体検出、骨格検出、深度推定や異常検知など多彩な機能を搭載。活用することで、業務効率化のための多彩なシステムを開発することが可能です。
SNSやニュース、レビューサイトなどからデータを自動収集できるツールです。画像解析AI機能を活用してSNS上の情報収集やブランド評価、消費者のインサイト分析、トレンド把握などが行えます。
ソニーセミコンダクタソリューションズの「AITRIOS」は、プライバシーに配慮したエッジAIセンシングプラットフォームです。中核となるのは、AI処理機能を搭載したインテリジェントビジョンセンサー「IMX500」。AIモデルがエッジデバイス上で動作し、生の画像や映像は送信せず、推論結果の「メタデータ」のみをクラウドに送ります。
これにより、個人情報保護の要件が厳しい小売店の顧客分析などにも対応可能です。AIモデルの開発から多数のデバイス管理(MLOps)までを一元化し、1台のスモールスタートから大規模な拡張まで柔軟にサポートします。
日立製作所の「Lumada Inspection Insights」は、電力事業者など社会インフラ向けのデジタルソリューションです。衛星画像やLiDAR、写真、動画など多様なデータをAIで解析し、送電網など広域な設備の点検・監視・最適化を支援します。
IT(日立ヴァンタラ)とOT(日立エナジー)を融合した4つのコアソリューションで構成され、危険な高所作業の自動化や植生管理、インシデント監視を実現。予測分析により障害発生前の修繕も可能にし、インフラの安全性向上とサステナビリティ目標の達成に貢献します。
ABEJAが提供する「ABEJA Insight for Retail」は、小売業向けの店舗分析支援サービスです。画像解析AIを「データ取得」の中核機能として活用し、カメラで「来客人数」「来客属性(性別・年齢)」などを自動計測します。これらのデータとPOSデータをダッシュボードで統合・可視化するだけでなく、AIによる分析支援や施策の効果検証まで、店舗運営のPDCAサイクルをワンストップでサポート。専任のカスタマーサクセスチームがデータ活用に伴走し、勘や経験に頼った運営から脱却させ、データドリブンな店舗改善を実現します。
HACARUSの「HACARUS Check」は、「協働ロボット+照明付きカメラ+高性能AI」が一体型となったAI外観検査ソリューションです。6軸の協働ロボットがカメラを持ち、対象物の裏面や側面を含む360度からの撮像が可能。これにより、従来の固定カメラでは難しかった複雑な立体物の検査を1台で完結させます。
また、不良品データが不要な「良品学習」AIを搭載しており、少量の良品データだけでAIを構築可能。データ収集が困難な少量多品種の生産ラインや、不良品が滅多に出ない現場の自動化に適しています。
オムロンの「画像処理システムFHシリーズ」は、製造現場の検査にAIを手軽に導入できるソリューションです。「新自動学習AI」機能を搭載し、専門知識がなくても3ステップで最適なAIモデルを構築できます。
最大の利点は、AI専用PCが不要で、既存のFHシリーズコントローラにライセンスを追加するだけでAI機能が使える点です。AI処理と従来のルールベース処理を同一の検査フローで融合できるため、既存資産を活かしつつ、メンテナンスコストを抑えた運用が可能です。
キーエンスの「AI外観検査」は、FA(ファクトリーオートメーション)の現場に特化したトータルソリューションです。AIソフトウェアの提供だけでなく、高精度な検査に不可欠なカメラ、照明といったハードウェアの選定、撮像技術までをトータルでサポートします。「LumiTrax™」などの特殊撮像技術により、AIが学習しやすい「良質な画像」を作成できるのが最大の強みです。
NECの「AI Visual Inspection」は、製造業の目視検査の課題を解決するAIソリューションです。ディープラーニングを活用し、検査員のスキルや疲労による品質のバラツキを解消。AIがキズや汚れの特徴を自動学習するため、パラメータ設定の工数を最小限に抑えます。専門技術者でなくても導入・運用できるよう設計されており、撮像機器の選定から導入後のサポートまでワンストップで提供されます。
様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。
Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Aivia
(ライカマイクロシステムズ)
Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)