畜産動物モニタリングAIの開発事例を紹介

畜産業において、牛や豚、鶏などの健康状態の管理に役立てられる畜産動物モニタリングAIの開発事例を紹介しています。

窪田畜産

窪田畜産イメージ
引用元:デザミス株式会社(https://www.desamis.co.jp/case/14)

導入前の課題:頭数が増えたことで発情発見が大変になった

繁殖牛450頭、子牛300頭、経産肥育牛100頭ほどを飼養しており、頭数が多くなり発情発見が大変になったことや、経産牛と比較すると育成牛の場合に発情が見つけにくいという課題がありました。

導入後の成果:それぞれの牛の発情時間を確認できる

課題を解決するために、デザミス株式会社の「U-motion」を導入し、朝と夕方に発情アラートを確認。発情指数グラフから発情時間を確認し、大体の種付け時間を決めるという流れで進めています。また、種付け後に発情しているケースの確認もでき、状態を見ながら追いつけを行うという対応ができています。畑にいるなど外出している場面が多いため、その間の発情を拾ってくれるという点について高く評価しています。

そのほかU-motionを確認することで、どの牛が何時間前に発情したかを確認できるため、採卵がしやすくなったというメリットも得られています。

水迫ファーム・水迫畜産

水迫ファーム・水迫畜産イメージ
引用元:デザミス株式会社(https://www.desamis.co.jp/case/17)

導入前の課題:牛・人・環境にやさしくあるための取り組みを行っていた

グループ全体で肥育牛が16,000頭ほど、年間9,000頭前後の牛を出荷しており、「牛に優しく、人に優しく、環境に優しい」をテーマとしてさまざまな取り組みを行う中で、AIの導入を行っています。

導入後の成果:経験や勘からデータに基づく管理に変化

デザミス株式会社が提供する「U-motion」を導入することにより、1人で多くの牛を管理できるように試行錯誤しており、「1人1,000頭管理」の体制を目指しています。これまでも死亡事故が多かったわけではないものの、事故数も大幅に改善できています。

具体的な導入方法としては、肥育牛にセンサーを取り付けることにより、アラートのほか活動量グラフや散布図を見た上で、実際の牛を確認しています。少しでも気になるところがある牛を見つけた場合には、U-motionでチェックするというのが当たり前になり、これまで勘や経験に頼っていた部分も、データ実績に基づいた管理に変化しました。

朝霧メイプルファーム

朝霧メイプルファームイメージ
引用元:デザミス株式会社(https://www.desamis.co.jp/case/15)

導入前の課題:牛の行動データを取得して効果測定を行いたいと考えていた

子牛も合わせて500頭ほど飼養。以前からABテストなどを実施してデータの収集・活用していたものの、効果は乳牛の増減でしか測れなかったため、牛の行動データを取得して効果測定を行いたいと考えていました。

導入後の成果:重症化する牛がほとんどいない状態をキープできている

U-motion導入後は、乳量の変化が現れる前の段階で牛の疾病を把握できるようになったため、重症化する牛がほぼいない状態を保っています。毎朝従業員がU-motionを確認して疾病アラートが出ている牛がいたら直接観察。必要に応じて処置を行った上でU-motionに記録を残しています。また、発情発見については基本的にU-motionに任せており、発情アラートが出たら牛を見て、発情であればマニュアルに沿って対応するというルールができています。

また発情発見率や受胎率なども確認できるため、従業員にとっても向上心を持って取り組める体制になりました。

畜産動物モニタリングAIを開発する方法

映像解析により行動や姿勢を検知

畜舎にカメラを設置し、その映像から家畜の「起立」「寝る」「採食」といった行動を自動識別します。この場合、開発には物体検出(YOLO等)や骨格推定技術などが用いられます。

録画データに対し、「発情の兆候」や「分娩の兆候」「足をひきずる」といったシーンにタグづけを行ってAIに学習させます。このAIによって、24時間目視を行うことが難しい大規模農場だったとしても、病気・事故などの早期発見ができるほか、種付け適期を逃すといった状況を防げます。

加速度センサーを用いてデータ解析を行う

畜産動物の首輪や耳標に加速度センサーを取り付け、そこから得られるデータを解析するという方法もあります。時系列で3軸加速度データを時系列で取得し、「動いている」「休んでいる」などの状況を機械学習にて分類を行っていきます。この方法では、実際の牛の行動にセンサーのデータをしっかりと紐づけることがポイントです。例えば「活動量が急増している場合には発情している」といったように判定ロジックを組むことによって、それぞれの個体の健康状態を通知する、といった対応も可能になります。

音声認識技術を用いて健康異常を検出

音声認識の活用によって、飼育豚の健康異常をAIで自動検出するという方法も用いられています。豚舎の外にマイクを設置し、音響解析技術を用いることでアップロードした音を解析してAI学習モデルの作成を行い、自動で異音の検知を行えます。

例えば、呼吸器感染症の症状の咳・くしゃみなどの音・平均回数などから体調不良の豚がいる群の発見が可能。このような場合には通知を行うことによって早期の対応を可能にできます。

【まとめ】AIを用いることで疾病や事故などの早期発見が可能になる

畜産業において、AIを活用したモニタリングシステムの使用によって、牛や豚などの健康状態を把握し、病気や事故などの早期発見・早期対処のほか、効率的な繁殖に役立てられます。また、夜毎に見回りを行うといった対応も不要になることから、生産性の向上にも繋げられます。

業界・目的別
画像解析AIのおすすめ3選

様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。

大規模な検査・検知システムを
確立したい

Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)

Bind Visionのキャプチャ
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand
  • 拡張性の高いプラットフォームで、用途・ライン別の分割運用、全体の統合管理が可能。カメラの増設にも柔軟に対応
  • 製造ラインの状況を一画面で俯瞰し、アラート通知で異常を即時検知。Web APIでスムーズなシステム連携を実現
専門的な画像を高い精度で
解析したい

Aivia
(ライカマイクロシステムズ)

Aiviaのキャプチャ
引用元:ライカマイクロシステムズ公式HP
https://www.leica-microsystems.com/jp/製品紹介/画像解析システム/p/aivia/
  • 生体組織に求められる2D~5Dの可視化と解析を実現。神経細胞や臓器構造の観察にも対応できる
  • 45種類以上の顕微鏡画像ファイルフォーマットに対応。様々な用途の研究用データなども無駄なく活用
セキュリティやリスク管理を
重視したい

Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)

Azure AI Visionのキャプチャ
引用元:日本マイクロソフト公式HP
https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/ai-vision
  • Microsoftの高度なセキュリティ基準に基づいて設計。クラウド経由の取引にも対応が可能
  • 金融・保険の書類処理や自動データ抽出するOCR、オンライン本人確認機能を搭載。口座開設や本人確認業務を効率化
※情報は2025年3月5日調査時点