ダクト火災検知AIの開発事例を紹介

飲食店の厨房や工場に設置されているダクトの火災を防止するための、ダクト検知火災AIカメラの開発事例などを調査しました。

サーマルカメラ × エッジ解析

引用元:コニカミノルタジャパン株式会社(https://businesssolution.konicaminolta.jp/business/products/mobotix/column/early-fire-detection/index.html)

開発前の課題:発火前の兆候を捉えて未然に対応することが困難

ダクトや炉などの高温設備を備えている工場の場合、設備が経年劣化したり運転状況が変化したりすることにより、異常加熱が発生するケースが見られます。目視によって監視を行っている場合には設備の変化を正確に把握することが難しいため、火災リスクが高まっているという課題がありました。

開発後の成果:異常熱を検知した時点で警報を発することが可能

ダクトや焼却炉にサーマルカメラを設置することにより、温度変化を常時監視し、異常を検知した場合に関係者に通報するという仕組みを構築しました。異常な温度を複数の閾値で判定し、「注意段階」「設備停止段階」といったように、多層的なアラートを設定することによって、段階的な対応が可能となっています。

この仕組みにより、異常な加熱があった場合にも事前に検知することで設備の破損・火災リスクを低減することができます。また設備異常の段階での対応ができるようになったことから、早朝停止のリスクも回避できるようになったという成果が得られています。

ダクト火災検知AIカメラを開発する方法

サーマルカメラと可視光カメラの組み合わせ

ダクトの内部は暗く、粉塵やや油汚れも充満しやすい環境であることから、通常の可視光カメラのみでは火種を正確に捉えることが難しいケースもあります。そのため、物体の熱(遠赤外線)を映像化できるサーマルカメラを組み合わせて技術を用いるという選択肢があります。発火前の異常な温度上昇をサーマルカメラで素早く捉え、可視光画像と重ね合わせることによって、「どの部分から熱が発生しているのか」という点をAIに認識させられます。

エッジAIの活用により迅速な対応

ダクト内で発生した火花や発火は、瞬く間に広がり大きな延焼を引き起こすケースがあります。そのため、映像をクラウドに送信してAI判定する構成の場合、通信のタイムラグが問題となる可能性が考えられます。このような課題を解決する方法として、エッジAIの利用が挙げられます。カメラ側にAIモデルを実装することによって、映像の取得から火花の判定、ダンパーの閉鎖や自動消火設備への連動信号を迅速に出すことができるアーキテクチャ設計が求められます。

誤検知を防ぐための学習データの工夫

ダクト内や周辺には、正常な機械稼働による摩擦火花や点検用ライトの反射など、火災と見間違えやすい要素が存在しています。誤報による工場ラインの緊急停止を防ぐためにも、AIには「火災に似ているものの、正常な光」の画像を大量に学習させることが重要です。また、ダクト火災の実データを集めるのは難しいことから、CG技術によってさまざまな発火パターンのシミュレーション映像を生成し、学習させるアプローチが有効と考えられます。

画像解析AI開発ツール・プラットフォームの料金・機能比較

ここでは、クラウドやオンプレミスなどのタイプ、料金、主な対応業界などの詳細情報を公式HPに掲載している画像解析AI開発ツール・プラットフォームをピックアップして比較します。

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Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Bind Vision公式サイト
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
(https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand)
OPTiM AI Camera
Enterprise

(OPTiM)OPTiM AI Cameraシリーズ公式サイト
引用元:OPTiM AI Cameraシリーズ公式HP
(https://www.optim.co.jp/optim-ai-camera/)
オールインワン
AI画像解析パッケージ

(大塚商会)大塚商会公式サイト
引用元:大塚商会公式HP
(https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/ai-iot/ai-camera-analysis/)
タイプクラウドオンプレミス/クラウド
(選択可)
オンプレミス
基本料金
  • 初期費用:なし
  • 基本プラン:3万円/月
  • 初期費用:66万円※1
  • 導入費:440万円
導入までの期間即時
(契約後すぐに使用可能)
最短約6週間
(公式HPに記載なし)
トライアル有り
(1か月無償で使用可能)

(公式HPに記載なし)

(公式HPに記載なし)
APIWeb APIでプログラムを
問わず、連携可能
 ※2
APIで既存アプリ、
システムとの連携が可能

(公式HPに記載なし)
主な対応業界製造業/防災事業者/自治体小売業/交通機関/医療業界建設業/小売業/製造業
【選定条件】
「画像解析AI開発ツール」とGoogle検索して上位表示されるAI開発ツール30社のうち、クラウドorオンプレミスでのプラットフォームを提供している製品をピックアップし、
公式HPに導入費用などの価格掲載があるソフトの情報を掲載しています。
※1.OPTim Edge Entryの場合、カメラ5台まで処理可能。
※2.煙検出AIの場合、1セット=45,000回/月の実行回数。
(2025年3月5日調査時点)

まとめ

飲食店の厨房や工場などに設置されているダクトの火災は、可能な限り早い段階で発見し、迅速な対処が必要といえますが、このような場面でもAIを活用することが可能です。こちらの記事でご紹介した事例などをぜひ参考に、システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

業界・目的別
画像解析AIのおすすめ3選

様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。

大規模な検査・検知システムを
確立したい

Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)

Bind Visionのキャプチャ
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand
  • 拡張性の高いプラットフォームで、用途・ライン別の分割運用、全体の統合管理が可能。カメラの増設にも柔軟に対応
  • 製造ラインの状況を一画面で俯瞰し、アラート通知で異常を即時検知。Web APIでスムーズなシステム連携を実現
専門的な画像を高い精度で
解析したい

Aivia
(ライカマイクロシステムズ)

Aiviaのキャプチャ
引用元:ライカマイクロシステムズ公式HP
https://www.leica-microsystems.com/jp/製品紹介/画像解析システム/p/aivia/
  • 生体組織に求められる2D~5Dの可視化と解析を実現。神経細胞や臓器構造の観察にも対応できる
  • 45種類以上の顕微鏡画像ファイルフォーマットに対応。様々な用途の研究用データなども無駄なく活用
セキュリティやリスク管理を
重視したい

Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)

Azure AI Visionのキャプチャ
引用元:日本マイクロソフト公式HP
https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/ai-vision
  • Microsoftの高度なセキュリティ基準に基づいて設計。クラウド経由の取引にも対応が可能
  • 金融・保険の書類処理や自動データ抽出するOCR、オンライン本人確認機能を搭載。口座開設や本人確認業務を効率化
※情報は2025年3月5日調査時点