水質汚染検知AIの開発事例を紹介

こちらの記事では、水質汚染検知AIの開発事例や開発方法について解説しています。

AIを活用した放流水質予測技術

AIを活用した放流水質予測技術_イメージ
引用元:日新電機株式会社(https://nissin.jp/news/200514/)

導入前の課題:水質悪化が発生すると時間と労力が必要になる

水質汚濁防止法によって下水処理場では放流水の排水基準が定められており、化学的酸素要求量(COD)が管理対象となっています。さらに、全窒素含有量(TN)、全りん含有量(TP)が規制対象となっている下水処理場もあります(瀬戸内海など特定地域内)。以上から自動測定装置を用いることで水質の監視が行われていますが、流入する汚水や下水処理状況によっては水質が悪化するケースもあり、水質を正常な状態まで戻すには一定時間に加え、維持管理者の経験・ノウハウが求められます。

導入後の成果:水質変化を事前に察知し、対策が取れるようになった

日新電機株式会社では、AIを活用して下水処理場の放流水質を予測する技術を開発しています。この技術は、下水処理場内にある監視制御装置に保存された過去の計測データをもとにして、AIにより2時間後のCOD、TN、TPの濃度を予測することができます。そのため、2時間前に水質悪化の予想が可能となり、回避対策に必要となる時間の確保ができます。また放流水質の変化を事前に察知し、維持管理者は異常が発生する前の対応が可能となりますので、水質の悪化を未然に防ぐとともに労力の軽減にも繋げられます。

ゼブラフィッシュ行動を用いたAI水質汚染検知システム

ゼブラフィッシュ行動を用いたAI水質汚染検知システム_イメージ
引用元:株式会社BAP(https://bap-software.net/case-study/ai-powered-water-contamination-monitoring/)

導入前の課題:水質汚染の早期発見には時間やコストがかかる

水処理施設や研究機関、地方自治体にとって水質汚染の早期発見は非常に重要です。これまで用いられてきた方法は、サンプリングや化学分析、研究所での検査が必要となることから、時間やコスト、人材が必要であるという課題がありました。

導入後の成果:非侵襲で水質管理を行うことが可能

株式会社BAPでは、環境変化に敏感なゼブラフィッシュの行動を用いたAI水質汚染検知システムを開発しています。こちらのシステムは、ゼブラフィッシュの行動解析にAIを組み合わせたモニタリングシステムです。

4台のカメラを用いてリアルタイムの行動を常時記録し、通常時の動きパターンを学習して標準モデルの構築を行います。さらに、隠れマルコフモデル(HMM)を用いて異常行動を検出する、というものになっています。

こちらのシステムは化学試薬が不要であり、非侵襲での水質監視を行える点に加え、リアルタイムで監視を行えるため、異常が発生した際に即時検知を行えるといったメリットがあります。

水質汚染検知AIを開発する方法

監視カメラの画像認識による突発的な汚染を検知

河川などに監視カメラを設置し、その映像を用いて水質汚染の検知を行う方法があります。この方法では、正常な水面の画像と、ごみや油が浮いている、いわゆる異常な画像を収集した上で、CNN(畳み込みニューラルネットワーク)を用いてAIモデルを構築します。この仕組みにより、目視による巡回に頼ることなく突発的な汚染などをすぐに検知・通知するシステムを構築できます。

顕微鏡画像と物体検出によるマイクロプラスチックの検知

近年、マクロプラスチックによる海洋汚染の拡大が問題となっています。この点から、AIによる画像認識技術を活用し、海水や前処理を施した堆積物からマイクロプラスチックを高速・自動的に計測するシステムも開発されています。

従来は顕微鏡を除いて一粒ずつ手作業で拾い出して分析するのが一般的だったものの、膨大な時間がかかるなどの問題がありました。しかし粒子の色やテクスチャなどをAI(物体検出モデル)に学習させることによって高速・自動的な計測が可能となるとともに、検査のばらつきを防ぐというメリットも得られます。

バイオアッセイを利用した水質監視

水槽に入れたメダカなどの魚や貝などの水生生物の動きをカメラで追い、その行動パターンをもとにして水質の異常を検知する手法です。例えばメダカの場合には、危険が迫ると群れが固まることによって大きく見せるという防御本能を応用します。通常時の遊泳軌跡をAIに学習させ、その動きからの乖離をリアルタイムでスコアリングすることによって、水質の監視を行えます。

【まとめ】AIによる水質汚染検知により迅速な対応が可能になる

もし水質汚染が進んでしまうと、私たちの生活に影響を与えるだけではなく、海や河川の生き物を危険に晒すことになります。そのため、水質汚染を検知して早急に対応することは非常に大切であるといえます。こちらの記事でご紹介したように、水質汚染検知の分野にAIを活用することにより、効率よく検知を行い迅速な対応を可能にします。

業界・目的別
画像解析AIのおすすめ3選

様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。

大規模な検査・検知システムを
確立したい

Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)

Bind Visionのキャプチャ
引用元:キヤノンITソリューションズ公式HP
https://www.canon-its.co.jp/solution/industry/cross-industry/image-integration/bindvision/brand
  • 拡張性の高いプラットフォームで、用途・ライン別の分割運用、全体の統合管理が可能。カメラの増設にも柔軟に対応
  • 製造ラインの状況を一画面で俯瞰し、アラート通知で異常を即時検知。Web APIでスムーズなシステム連携を実現
専門的な画像を高い精度で
解析したい

Aivia
(ライカマイクロシステムズ)

Aiviaのキャプチャ
引用元:ライカマイクロシステムズ公式HP
https://www.leica-microsystems.com/jp/製品紹介/画像解析システム/p/aivia/
  • 生体組織に求められる2D~5Dの可視化と解析を実現。神経細胞や臓器構造の観察にも対応できる
  • 45種類以上の顕微鏡画像ファイルフォーマットに対応。様々な用途の研究用データなども無駄なく活用
セキュリティやリスク管理を
重視したい

Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)

Azure AI Visionのキャプチャ
引用元:日本マイクロソフト公式HP
https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/ai-services/ai-vision
  • Microsoftの高度なセキュリティ基準に基づいて設計。クラウド経由の取引にも対応が可能
  • 金融・保険の書類処理や自動データ抽出するOCR、オンライン本人確認機能を搭載。口座開設や本人確認業務を効率化
※情報は2025年3月5日調査時点