小売業界において、万引きによる被害は財務面を圧迫する大きな経営課題です。これまでは、万引き対策として警備員や店員を配置し、不審な人物に声がけをすることが効果的とされてきました。実際、万引きをあきらめる理由として約65.6%の人が「店員による声がけ」を挙げています。
しかし、近年の慢性的な人手不足や店舗の大型化により、効率的に声がけを行うことが非常に難しくなっています。また、万引きの手口自体も年々巧妙化しているため、従来の万引き対策担当者による目視での監視だけでは十分な対応ができなくなっているのが実情です。
そこで現在、監視カメラの映像から不審な行動をAIが自動で解析・検知し、未然に防ぐ「AI万引き防止システム」のような高度な検知能力を持つ画像認識AIが強く求められ、注目を集めています。
参照元:警視庁|万引き被疑者等に関する実態調査分析報告書(平成27年度調査)[※PDF](https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/anzen/manbiki/hokokusyo.files/H29.pdf)
株式会社VAAKは、防犯カメラの映像をAIで解析する万引き防止システム「VAAKEYE」を開発しました。人間の歩幅や関節の動きなど100以上のポイントを詳細に分析することで、明らかな不審行動だけでなく、複雑な万引き行為までリアルタイムに自動検知します。
実際に大手小売店で行われた実証実験では、決定的な犯罪行為情報を検知して警察へ情報提供を行い、万引き犯の逮捕に貢献しました。また、導入前と比較して商品ロスを75%以上削減する実績も上げています。
引用元:プレスリリース|万引き防止AI「VAAKEYE(バークアイ)」警察と連携して、万引き犯を逮捕へ (https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000031447.html)
NTT東日本は、アースアイズ株式会社が開発した行動検知AIを搭載したカメラを活用し、プラットフォームサービス「AIガードマン」を提供しています。来店者の不審な行動をAIカメラが自律的に検知し、店員のスマートフォンへ即座に通知することで効率的な声がけを促し、万引き抑止を強力に支援します。
参照元:株式会社 トラスト|万引き防止ならAIガードマン(https://trust-k.jp/aiguardman/)
自社で万引き防止AIを導入する際の一つの方法は、AI開発専門の企業へ委託する「AI受託開発」の活用です。これは、自社で一からAI技術を開発するのではなく、外部の専門会社に依頼して自店舗特有のニーズに合わせたAIシステムを構築してもらう手法です。
AI開発を外部委託する最大の利点は、プロの専門知識や新しい技術を迅速に活用できる点にあります。自社内で開発を行う場合、専門人材の確保や多大な時間とコストがかかりますが、委託することでこれらの負担を大きく削減できます。
また、社内のリソースを店舗運営や顧客対応といった本来の業務に集中させることができるため、企業全体の生産性向上につながることも大きなメリットです。
もう一つの方法は、「AIモデル作成ツール」や開発プラットフォームを活用することです。AIモデル作成ツールとは、専門的なプログラミング知識や高度なITリテラシーを持たない従業員でも、直感的な操作でAI開発を簡単に実行できるツールを指します。
データ収集から、データの形を整える前処理、そしてAIモデルの構築までの手間を大幅に削減できるのが特徴です。専門のエンジニアを新たに採用しなくても、現場のスタッフが実用的な画像認識AIモデルを作成できるため、IT人材不足の解消にも役立ちます。
また、これらのツールの多くはクラウド上で提供されており、登録するだけで手軽に始められます。そのため、外部へ依頼したりゼロから自社開発したりするよりも、低コストかつ短期間でAIシステムを構築でき、小規模な店舗での試験的な導入にも適しいます。
万引き被害の削減には、人手不足を補う画像認識AIの活用が非常に有効です。複雑な不審行動を検知するシステムは、すでに犯人逮捕や商品ロス削減といった具体的な成果を上げています。AI開発企業への委託や、専門知識不要の開発ツールを活用することで、自店舗の課題に合った万引き防止AIを導入し、効率的かつ確実な防犯対策を実現しましょう。
様々な画像解析AIのなかで、DX化実現のため大規模なシステム構築が求められる製造業、高度な解析精度が医療業界、セキュリティが重視される金融業界と3つの業界で目的に合うツールをピックアップしました。
Bind Vision
(キヤノンITソリューションズ)
Aivia
(ライカマイクロシステムズ)
Azure AI Vision
(日本マイクロソフト)